健康コラム

公開日

2026.2.28

更新日

2026.2.28

総合診療

花粉症の体質改善はできる?舌下免疫療法の効果・副作用・費用を解説 

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
毎年春になると、このような悩みを聞きます。

🌀 花粉の時期になると目も鼻もボロボロ…

🌀 花粉症の飲み薬を飲んでいるけど、眠くなるし完全には効かない…

🌀 一生この薬を飲み続けるの?

花粉症の季節になるたびに、飲み薬や点眼薬を使い続けて「体質そのものを変えられたら…」と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。

今回は、そんな体質改善を目指す治療法として注目されている、舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)について、その効果や副作用などをお話しします。

🔸 舌下免疫療法とは、どんな治療?

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質を毎日少しずつ体に取り入れて、体を慣らしていく治療です。現在日本では、「スギ花粉」と「ダニ」に対する舌下免疫療法の保険適用薬があります。

花粉症がひどくなったときに、飲み薬や点眼薬で症状を抑える治療を「対症療法」と呼びますが、対症療法と舌下免疫療法ではアプローチの仕方が根本的に異なります。

火事にたとえると、対症療法は「火事の炎に水をかけ続ける」イメージ、舌下免疫療法は「火が燃えにくい体質に変えていく」ようなイメージです。

舌下免疫療法の効果に個人差はあるものの、薬の量を減らせるだけでなく、ほとんど症状が出なくなる方もいらっしゃいます。

🔸 舌下免疫療法の効果は?

舌下免疫療法は、治療を受けた方の約8割に何らかの改善がみられると報告されています。

毎日飲み薬と点鼻薬を使っていた方が、ときどき薬を飲むくらいで乗り切れるようになれば、生活の質は大きく変わりますよね。

3年は続ける覚悟が必要

舌下免疫療法は、長く続けることで効果がより安定しやすくなる治療です。

欧州アレルギー・臨床免疫学会(EAACI)のガイドラインでは、最低3年間の継続が推奨されています。これは、3年続けることで治療の終了後も効果が持続する可能性が高まるとされているためです。

また、ある研究によると、治療期間が長いほど効果の持続期間も長くなる傾向があるとも報告されています。

〈治療効果の持続期間〉

  • 3年間治療を続けた場合 → 約7年間効果が持続

  • 4〜5年間治療を続けた場合 → 約8年間効果が持続

「舌下免疫療法は3年単位のプロジェクト。すぐに効果が出なくても焦らず、長い目で見る」
このことを最初にしっかり理解していただけると、途中で挫折せずに続けられるでしょう。

治療はいつまで続ける?

舌下免疫療法を3年続けたあとは、どうしたらいいのでしょうか?

現在の考え方は、次のとおりです。

  • 効果を実感している場合→ 3年の治療を終えた時点で、継続するか中止するかを相談する

  • 効果が乏しい場合→ 別の治療法への切り替えを検討する

つまり、舌下免疫療法の3年は「評価ポイント」だということです。治療開始から3年経過したタイミングを目安に効果を判断し、患者さん一人ひとりに合わせて現実的なアプローチを考えていきます。

また、効果を実感して治療を終了した後に、再び症状が強くなることがあります。その場合は遠慮なく医師に相談しましょう。そのときの状態に合わせて、あらためて治療方針を検討していきます。

🔸 よくある副作用と対策

舌下免疫療法で最も多い副作用は、口の中のかゆみや腫れです。

  • 舌の下が腫れる

  • 唇がムズムズする

  • 喉がイガイガする

こういった症状は、治療の初期(特に最初の1〜2か月)に比較的よく見られます。

しかし、多くの場合は軽度で、治療を続けるうちに自然と軽減していきます。抗アレルギー薬を併用することで対処できることがほとんどです。

重篤な副作用は極めてまれ

舌下免疫療法で重篤なアナフィラキシー反応を引き起こすことは、極めてまれです。従来の注射による皮下免疫療法に比べて、舌下免疫療法の安全性は高いとされています。

とはいえ、その確率はゼロではありません。そのため、初回の投与は必ず医療機関で行い、30分間は院内で経過を観察することになっています。

🔸 舌下免疫療法に向いている人、向いていない人

舌下免疫療法の最大のハードルは「続けられるかどうか」です。

毎日1回、舌の下に薬を置いて1分間キープし、その後飲み込む。5分間はうがいや飲食を控える。シンプルな手順ではありますが、これを3年以上毎日続けるのは、意外と根気がいります。

しかし、このルーティンを日常に組み込めるのであれば、舌下免疫療法は非常に良い治療法です。

🔸 舌下免疫療法を始める時期と治療の流れ

「舌下免疫療法はいつから始めればよいのですか?」という質問もよくいただきます。

スギ花粉症の舌下免疫療法を始めるなら、花粉の飛散が落ち着く5月から、12月頃までがベストタイミングです。花粉が飛んでいる時期に始めると、アレルギー反応が強く出る可能性があるため、通常は避けて開始します。

治療開始までの流れは、次のとおりです。

① 初診

問診、診察を行い、血液検査でアレルギーの原因を確認します。

② 検査結果確認・初回投与

検査結果を見て医師が治療を始めていいと判断すれば、初回の薬を院内で服用。30分間院内で経過観察します。

③ 1週間後の再診

副作用の有無を確認し、問題なければ薬の量が増えます。

④ その後は月1回の通院

副作用がなく治療が順調に進むようになれば、月1回通院します。

リベ大総合クリニック大阪院では、最初の3回(初診・初回投与・1週間後)は対面診療が必要ですが、その後は状態が安定していればオンラインでの処方も可能です。忙しい方でも続けやすい仕組みにしています。

🔸 当院の舌下免疫療法の費用

舌下免疫療法は、保険適用の治療です。

3割負担の方であれば、1ヶ月あたり約2,000〜2,500円が目安で、3年間続けると合計で約7〜9万円になります。

一見高く感じるかもしれませんが、毎年春になると薬代がかさみ、眠気と戦いながら仕事をして、週末も花粉のせいで外出がつらい…。

そんな日々と比べてみると、体質改善が期待できる舌下免疫療法は、十分に価値のある選択肢だと思います。

🔸 ご機嫌な春を目指して

毎年のように目をこすり、鼻をかみ続け、薬の眠気と戦う日々。
舌下免疫療法は、そんな日々を変える可能性のある治療法です。

魔法のようにすぐ効く薬ではありませんが、これからの春を快適に過ごすために、今から始めてみませんか?

当院では、舌下免疫療法についてのご相談を通年で受け付けています。

スギ花粉症の治療を始めるなら、花粉シーズンが終わる5月以降がチャンスです。土日祝日も診療していますので、お仕事で忙しい方もぜひご相談ください。

▶︎ 花粉症・アレルギー外来について、詳しくはこちら

では、次回のコラムもお楽しみに!

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【参考文献】

  1. Marogna M, et al. Long-lasting effects of sublingual immunotherapy according to its duration: a 15-year prospective study. J Allergy Clin Immunol. 2010;125(1):131-138.

  2. 日本アレルギー学会. アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法.

  3. 日本鼻科学会. アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法の指針.

  4. Radulovic S, et al. Sublingual immunotherapy for allergic rhinitis. Cochrane Database Syst Rev. 2010;12:CD002893.

  5. 鳥居薬品. 舌下免疫療法専門サイト「舌の下(したのした)で行う」.

  6. Calderon MA, et al. Allergen immunotherapy: a new semantic framework from the European Academy of Allergy and Clinical Immunology.

  7. 日本アレルギー学会. アレルゲン免疫療法の手引き2025

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