健康コラム

公開日

2026.8.7

更新日

2026.8.6

総合診療

子どもの感染症は大人にうつる?4つの病気の初期症状と受診の目安

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。


🌀 子どもは元気になったけど、自分も口の中が痛い

🌀 子どもが、りんご病と診断された。大人ではどんな症状が出る?


お子さんが感染症にかかると、看病するご家族も、ご自身の体調の変化が気になるのではないでしょうか。


「子どもに多い」という印象がある病気に、大人が感染しないわけではありません。


そして、なかには、大人も重症化リスクがあるため気をつけたい感染症や、早めに医療機関へ相談したほうがよいケースもあります。


今回のコラムでは、子どもの感染症が大人にうつったときの初期症状や、医療機関へ相談する目安、家庭内で感染を広げない工夫について、お話ししていきます!

🔸 子どもの感染症は大人にもうつる

感染した子どもから、飛まつ・接触・便などを介して大人へ感染が広がる様子を示した図

子どもの感染症は、大人にもうつることがあります。看病やおむつ交換などのお世話を通じて、飛まつ・空気・接触・便などから感染する機会があるためです。感染経路は病気によって異なり、水ぼうそうのように空気感染するものもあります。


「大人にうつる確率はどれくらい?」と気になる方もいるでしょう。家庭内で感染症がうつる可能性は、接触の程度や過去の感染による免疫の有無などで変わるため、一律に何%とは示せません。


また、感染症がうつった場合の、大人の症状の出方や重症化しやすさも、年齢や免疫の状態、持病などによって変わります。

🔸 大人が気をつけたい4つの感染症

子どもがかかる感染症は様々ありますが、大阪府では、2026年第27週(6月29日〜7月5日)に手足口病の定点当たり報告数が「警報レベル開始」の目安を超えました。


そこで、ここからは、子どもに多くみられ、大人にも感染することがある病気の例として、手足口病、りんご病、おたふく風邪、水ぼうそうを取り上げます。


これらの感染症の潜伏期間は、手足口病が3〜5日、りんご病が約10〜20日、おたふく風邪が12〜25日、水ぼうそうが10〜21日とされています。


お子さんが感染症にかかったら、看病する大人も、潜伏期間を目安にご自身の体調を気にかけておきましょう。


これら4つの感染症がうつったときに、大人にあらわれる初期症状は、次の表の通りです。

子どもの感染症

大人の初期症状

手足口病

発熱、口の中や手足の発疹・水疱

りんご病

微熱やだるさなどの風邪に似た症状
その後、発疹や関節痛が現れることがある

おたふく風邪

発熱や頭痛、耳の下やあご周辺の腫れ・痛み

水ぼうそう

発熱やだるさに続いて、水疱を伴う発疹

手足口病

手足口病は、多くの場合、自然に回復します。ただし、手足口病で口の痛みが強く、水分をとれない場合は、近くの医療機関を受診しましょう。

りんご病

りんご病は、妊娠中に感染すると胎児水腫や流産につながる可能性があり、溶血性貧血などがある方では血球が減少することがあります。


りんご病に感染した可能性がある場合や、同居する家族がりんご病と診断された場合は、妊娠中の方は産婦人科へ、溶血性貧血などがある方はかかりつけ医へ相談しましょう。

おたふく風邪

おたふく風邪は通常は1〜2週間で軽快しますが、大人は合併症に注意が必要です。


おたふく風邪にかかった方のうち、強い頭痛や嘔吐などが出る無菌性髄膜炎は1〜10%、脳炎は0.02〜0.5%、難聴は0.01〜0.5%と報告されています。また、思春期以降の男性では、精巣の腫れや痛みを伴う精巣炎が14〜35%にみられます。


強い頭痛や聞こえにくさ、精巣の腫れがあれば、近くの医療機関を受診しましょう。

水ぼうそう

水ぼうそうは大人で重症化しやすい病気です。


水ぼうそうにかかったことや水痘ワクチンの接種歴がない、または分からない方は、すみやかに医療機関へ相談してください。接触後72時間以内のワクチン接種で、発症予防や軽症化が期待できます。妊娠中の方や免疫を抑える治療中の方は水痘ワクチンを接種できないため、産婦人科またはかかりつけ医へ連絡※しましょう。


※ 水ぼうそうは空気感染することがあります。水ぼうそうが疑われる場合や発しんがある場合は、受診前に電話などで医療機関へ連絡し、受診方法を確認してください。


水ぼうそうと帯状疱疹の関係、帯状疱疹ワクチンについては、過去のコラムでお話ししています。気になる方は、あわせてご覧ください。


▼ 関連コラム

帯状疱疹の激痛を防ぐ!帯状疱疹ワクチンのお話

🔸 大人の体調不良で受診を考える目安

「子どもの感染症がうつったかも」

そんなときは、我慢しすぎないことが大切です。


特に、次のような症状がある場合は、体調が悪化しているサインかもしれません。なるべく早く医療機関を受診しましょう。


✅ 水分をとれず、尿の量が減っている

✅ 息苦しさや胸の痛みがある

✅ 強い頭痛がある

✅ 急に耳が聞こえにくくなった

✅ 精巣が腫れて強く痛む

✅ 高熱が続き、日ごとに悪化している


お子さんの診断名と発症日、園や学校で流行している感染症、ご自身の症状と始まった時期を伝えると、スムーズに診断するための手がかりになります。


なお、強い息苦しさやけいれんがある、意識がもうろうとする場合は、救急車を呼ぶようにしてください。

🔸 家庭内感染を広げない工夫

子どもの感染症を家庭内で広げないための対策をまとめた図

子どもは、保育園や学校などの集団生活で、どうしても感染症にかかりやすいものです。看病する大人やほかの家族へ広げないためには、感染症ごとの広がり方に応じた対策を行うことが効果的です。

子どもの感染症

主な感染経路

家庭での対策

手足口病

飛まつ・接触・便を介した感染

おむつ交換やトイレ後は丁寧に手を洗い、タオルを共用しない

りんご病

接触・飛まつ感染

発疹前に広がりやすいため、普段から手洗いと咳エチケットを続ける

おたふく風邪

主に唾液を含む飛まつ感染

飲み物や食器、タオルの共用を避け、咳エチケットと換気を行う

水ぼうそう

空気・飛まつ・接触感染

感染者との接触をできるだけ減らし、換気や手洗いを行う

ただし、いくら対策を重ねても、家庭内感染を完全に防ぎきるのは困難です。そして、家族に広がったとしても、看病した方だけに責任があるわけではありません。


妊娠中の方や免疫を抑える治療中の方が同居している場合は、できる範囲で接触を減らすことも大切です。

🔸 まとめ|看病する大人の身体も大切に


今回は、家庭内で子どもから大人へ感染が広がったときの症状や、受診を考える目安、感染対策についてお話ししました。


🌀 子どもの症状は落ち着いたけれど、自分の不調が続いている

🌀 家族に妊娠中の方や持病のある方がいる


このようなときは、お子さんの病名と症状が出始めた日を確認したうえで、お気軽にご相談ください。


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少しでも参考にしていただければうれしいです。

では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. 厚生労働省. 手足口病.

  2. 厚生労働省. 伝染性紅斑.

  3. 厚生労働省. おたふくかぜワクチン ファクトシート. 2026.

  4. 厚生労働省. 水痘ワクチン. 2026.

  5. 国立健康危機管理研究機構. 水痘(詳細版).

  6. 日本小児科学会. 水痘(みずぼうそう).

  7. 大阪健康安全基盤研究所. 手足口病の定点あたり報告数が警報レベルを超えました。ご注意を!. 2026.

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