症状
排便時の出血・便潜血
🌀トイレのあと、便器を見たら赤い血がついていた
🌀トイレットペーパーで拭いたときに血が混じっていた
🌀健康診断の便潜血検査で「陽性」と指摘された
こうした経験があると、どうしても不安になるものです。
「きっと痔だろう」「一回だけだから大丈夫」と自分に言い聞かせてしまう方も少なくありません。
出血の原因が痔であることは、実際にとても多いです。
でも、便に血が混じるという症状は、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患など、ほかの病気のサインであることもあります。
「大袈裟かな」と思っていた方も、まずはこの記事を読んでみてください。
🔶 こんな症状はありませんか?
排便後、トイレットペーパーに血がついた
便器の水が赤く染まっていた
便の表面に、赤い血が筋のようについていた
赤黒い血の塊が便と一緒に出た
下着に血液がついていることがある
健康診断の便潜血検査で「陽性」と言われた
便の色が全体的に黒っぽい(タール状)
排便時にお尻がヒリヒリ・ズキズキ痛む
便に粘液(ネバネバしたもの)が混じっている
最近、便秘や下痢を繰り返すようになった
ひとつでも当てはまるものがあれば、一度原因を確かめておくことをおすすめします。
🔶 受診の目安
血便や排便時の出血は、緊急度に大きな幅があります。 以下を参考に、ご自身の状況を確認してみてください。
すぐに受診した方がいいケース
大量の出血が止まらない/便器が真っ赤に染まるほどの出血がある
血便に加えて、激しい腹痛・冷や汗・めまい・ふらつきがある
真っ黒なタール状の便が出て、吐き気やだるさを伴う
高熱(38℃以上)を伴う血便が出ている
→ 救急外来を受診してください。
1〜2週間以内に受診がおすすめなケース
少量でも出血が数日以上続いている
健診の便潜血検査で「陽性」を指摘された(1回でも)
40歳以上で初めて血便が出た
排便時の出血に加えて、便が細くなった・体重が減ってきた
以前から痔があるが、いつもと違う出血パターンになった
緊急性は低いことが多いですが、自己判断にはご注意を
硬い便を強くいきんだ直後に、ペーパーに少量の鮮血がついた(一回きり)
切れ痔の痛みがあり、出血はごく少量で翌日には止まった
→ 繰り返す場合や、40歳以上の方はぜひ一度ご相談ください。
🔶 排便時に出血する主な原因
「大腸がんかもしれない」と心配されて来院される方は多いですが、原因はさまざまです。代表的なものを挙げます。
痔(いぼ痔・切れ痔)
排便時の出血として最も多い原因。鮮やかな赤い血が特徴です大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる良性の腫瘍。放置するとがんに進行する可能性があります大腸がん
初期は無症状のことも多く、便潜血で見つかるケースがあります炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
腸に慢性的な炎症が起きる病気です大腸憩室出血
大腸の壁にできた袋状のくぼみから突然出血する病態です感染性腸炎
細菌やウイルスの感染で腸に炎症が起き、血便を伴うことがあります虚血性腸炎
大腸への血流が一時的に低下して粘膜が傷つき、出血します
自己判断だけでは原因を特定することができません。原因を確かめるためには、医療機関での検査が必要です。
🔶 考えられる病気と、それぞれの特徴
痔(いぼ痔・切れ痔)
排便時の出血として最も多い原因が、痔です。
いぼ痔(痔核)は、肛門内側の血管がうっ血してふくらんだ状態で、排便時のいきみで出血します。痛みを感じないことも多く、便器の水が赤くなるほど出血して驚いて受診される方も少なくありません。
切れ痔(裂肛)は、硬い便や下痢が肛門の皮膚を傷つけることで起こります。排便時にヒリヒリ・ズキズキとした痛みがあり、ペーパーに鮮やかな赤い血がつくのが典型的なパターンです。
ひとつ知っておいていただきたいのは、「痔があるから出血は痔のせいだ」と決めつけてしまうことのリスクです。痔と大腸ポリープ、あるいは痔と大腸がんが同時に存在しているケースは珍しくありません。とくに40歳以上で初めて血便が出た方は、痔の治療と並行して大腸の検査を受けておくと安心です。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸の内側の粘膜にできるイボのようなできものです。
多くは良性ですが、「腺腫」と呼ばれるタイプのポリープは、放置すると時間をかけてがんに変化することがあります。大腸がんの多くは、こうしたポリープの段階を経て発生することがわかっています。
ポリープ自体はほぼ無症状ですが、大きくなると便が通過するときに表面が傷つき、少量の出血が起こることがあります。肉眼では気づかない程度の出血でも、便潜血検査で陽性として検出されることがあるため、便潜血が陽性になった方にとって、ポリープの有無を確認しておくことはとても大切です。
大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、多くはその場で切除が可能です。ポリープの段階で取り除くことが、将来の大腸がんを予防することにつながります。
大腸がん
大腸がんは、日本で女性のがん死因第1位、男性では第2位という、身近な病気のひとつです。
怖いのは、初期の段階ではほとんど自覚症状がないこと。「なんとなくおかしいかも」と気づいたときには、すでにある程度進行しているケースも少なくありません。
だからこそ、便潜血の結果が陽性であった場合は、「症状がないから大丈夫」と放置せず、大腸カメラで大腸の中を直接確認しておくことが早期発見のカギになります。
早期の大腸がんは、内視鏡で切除できることがほとんどです。見つかるタイミングが早ければ早いほど、体への負担が少ない治療で済む可能性が高くなります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
潰瘍性大腸炎とクローン病は、免疫の異常によって腸に慢性的な炎症が起きる病気で、どちらも国から難病に指定されています。
10〜20代の若い方にも発症することがあり、血便・粘血便(ネバネバした血液の混じった便)・腹痛・下痢が代表的な症状です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴ですが、適切な治療を続けることで日常生活を送ることができます。
若い方で慢性的な下痢や血便がある場合には、これらの病気を念頭に置いて検査を受けることが大切です。
大腸憩室出血
大腸憩室とは、大腸の壁の一部が外側に袋状にふくらんだ状態です。加齢とともに増える傾向がありますが、それ自体は珍しいものではありません。
問題は、この憩室の内部にある血管が破れたとき。突然まとまった量の出血が起こることがあります。痛みを伴わないことが多く、「いきなり大量の鮮血が出た」と驚いて受診される方が多いのが、この疾患の特徴です。
多くの場合は自然に止血しますが、出血が続く場合には入院治療が必要になることもあります。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用中の方は、とくに注意が必要です。
虚血性腸炎
虚血性腸炎は、大腸への血流が一時的に低下することで粘膜が傷つき、出血や炎症を起こす病気です。
左下腹部の急な痛みのあとに、暗赤色〜鮮赤色の血便が出るのが典型的なパターンです。便秘が続いていた方、脱水気味の方に起こりやすい傾向がありますが、若い方に発症するケースもあります。
「腹痛が先に来て、そのあとに血便が出た」という順番は、この病気を疑う重要な手がかりです。受診時にぜひ伝えてください。
感染性腸炎
細菌(カンピロバクター、サルモネラ、O157など)やウイルスの感染によって腸に急な炎症が起き、下痢や腹痛とともに血便が出ることがあります。発熱を伴うことが多く、原因となる食品を食べてから数時間〜数日後に発症するケースが典型的です。
高熱が続く場合や脱水がひどい場合には、点滴や抗菌薬による治療が必要になることもあります。お子さんや高齢の方は脱水に注意してください。
🔶 受診時に教えていただきたいこと
血便の原因を効率よく調べるために、以下の情報をご用意いただけると診察がスムーズに進みます。メモ書きで十分です。
いつから?——「今朝が初めて」「3日前から」「1か月前にも一度あった」など
血の色は?——鮮やかな赤、暗い赤、黒っぽい色など。写真があると伝えやすくなります
血はどこに?——ペーパーだけ、便の表面、便に混じっていた、便器の水が赤かった、など
量はどのくらい?——ペーパーに少しつく程度、ポタポタたれた、便器が真っ赤になった、など
排便時の痛みは?——ヒリヒリ、ズキズキ、キューッとした痛みなど、感じたままの言葉で
他に気になる症状は?——腹痛、発熱、体重減少、便秘・下痢の変化、倦怠感など
飲んでいる薬は?——血液をサラサラにする薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)、鎮痛薬も重要です
便潜血の結果票は?——健診結果の用紙があればご持参ください
「うまく説明できるか不安」という方もご安心ください。スマートフォンで便の写真を撮っておいていただくだけでも、診察の大きな手がかりになります。
🔶 当院での検査・診断の流れ
STEP 1 問診・診察
まずはお話を聞かせてください。出血の状況、便通の変化、お薬の情報などを詳しくお伺いします。腹部の触診を行い、出血の原因がどこにあるかを診ていきます。
STEP 2 血液検査・超音波検査など
貧血の有無や炎症の程度を確認するために、血液検査や超音波検査をご案内することがあります。
STEP 3 大腸カメラ検査(後日)
診察の結果によって、後日大腸カメラ検査をご案内する場合があります。
排便時の出血や便潜血陽性の精密検査として、最も精度が高いのが大腸カメラ検査です。肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を直接観察します。ポリープ、がん、炎症など、出血の原因となりうる変化を直接確認し、必要であれば組織を採取して病理検査に提出します。
<当院の大腸カメラ検査の特徴>
鎮静剤を使用し、うとうとした状態で受けていただけます
検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除が可能です(日帰り手術対応)
消化器内視鏡専門医が担当します
胃からの出血が疑われる場合(黒色タール便、吐血など)には、胃カメラ検査を併せて行うこともあります。
STEP 4 結果説明・今後の方針
検査結果は、画像をお見せしながら丁寧にご説明します。ポリープを切除した場合には、病理結果(目安として2週間前後)をもとに、今後の治療やフォローアップの方針をご提案します。
「いきなり検査を受けるのは怖い」という方も、そのままの気持ちで来ていただいてかまいません。まずはお話を聞いて、検査が必要かどうかを一緒に考えましょう。
🔶 日常生活で気をつけたいこと
検査と治療が大切なのはもちろんですが、日常生活の習慣も出血の繰り返しに影響することがあります。
便秘を放置しない
硬い便は肛門を傷つけ、痔の原因にもなります。食物繊維を意識して摂るようにすると、排便が楽になります
トイレで長時間いきまない
排便は3〜5分以内を目安に。長時間のいきみは肛門に負担をかけます
水分をこまめに摂る
1日1.5〜2リットルを目安に水分補給を。便がやわらかくなり、排便時の負担が軽くなります
軽い運動を取り入れる
ウォーキングなどは腸の動きを促し、便秘の予防に役立ちます
アルコールや刺激物を控えめに
過度の飲酒や辛いものは、腸や肛門の粘膜を刺激します
40歳を過ぎたら、定期的に大腸カメラを
症状がなくても、5年に一度は大腸カメラ検査を受けておくと安心です
セルフケアだけでは出血の原因そのものを取り除くことはできません。出血が繰り返されたり、2週間以上続いたりする場合は、早めに受診してください。
🔶 よくある質問
Q. 便潜血検査で「陽性」になりましたが、1回だけなら様子を見ていいですか?
1回でも陽性であれば、大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。大腸がんやポリープがあっても常に出血しているわけではないため、2回のうち1回だけ陽性になるケースは珍しくありません。「再検査で陰性なら安心」というわけにはいかないため、陽性が出た時点で精密検査を受けていただくのが確実です。便潜血陽性の方に大腸カメラを実施した場合、約半数の方にポリープが、数パーセントの方にがんが見つかるという報告もあります。
Q. 痔があるので、便潜血陽性は痔のせいではありませんか?
確かに、痔からの出血で便潜血が陽性になることはあります。ただ、「陽性の原因は痔だけ」と断定することはできません。痔と大腸ポリープ、あるいは痔と大腸がんが同時に存在しているケースは珍しくないからです。痔をお持ちの方こそ、大腸カメラで大腸の中もきちんと確認しておくことが大切です。
Q. 大腸カメラ検査はつらくないですか?
「大腸カメラは痛い・苦しい」というイメージをお持ちの方は多いです。当院では鎮静剤を使ってうとうとした状態で検査を受けていただけるため、検査中の苦痛はほとんど感じないという方がほとんどです。「怖い気持ちがある」という方もそのまま来ていただいて大丈夫です。検査の前にお気持ちを教えていただければ、できる限り配慮しながら進めます。
🔶 まずは、ご相談だけでも大丈夫です
「大袈裟かな」「きっと痔だろう」——そう思いながらも、どこか気になっている。
そんなときは、まずはご相談だけでも大丈夫です。
排便時の出血は、見つけて対処すれば良くなる病気が隠れていることも少なくありません。リベ大総合クリニック大阪院では、消化器内科の診察から大腸カメラ検査まで、一貫してお受けいただけます。
「まず話だけ聞いてほしい」それだけでも、ぜひご連絡ください。
ネット予約はこちら 24時間いつでもご予約いただけます。
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