公開日
2026.2.13
更新日
2026.2.9
総合診療
花粉症の鼻づまりにはステロイド点鼻薬が重要?飲み薬との違いは?

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
🌀 花粉症の薬を飲んでいるのに、鼻づまりがつらい…
🌀 くしゃみと鼻水は止まったけど、息ができない…
🌀 点鼻薬、なんとなく面倒で使ってない…
花粉症の季節、このような悩みを抱えている方はとても多くいます。
花粉症による鼻づまりは、飲み薬だけでは十分に改善しないことがあります。そんなときに知っておきたいのが「ステロイド点鼻薬を主役にする」という考え方です。
今回のコラムでは、花粉症の治療におけるステロイド点鼻薬の効果について、お伝えします。
🔸 点鼻薬と飲み薬どっちがいい?
「飲み薬が主役で、点鼻薬は補助」と思っていませんか?
実は、花粉症による鼻の症状には、ステロイド点鼻薬のほうが効く場合が多いのです。
また、ステロイド点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)は、鼻づまりだけでなく、くしゃみや鼻水にも効果が期待できます。実際に、複数の研究をまとめた解析では、季節性アレルギー性鼻炎において点鼻薬のほうが飲み薬よりも鼻の症状を改善したと示されています。
🔸 飲み薬だけだと鼻づまりが残る!?

🌀 ちゃんと薬を飲んでいるのに、鼻づまりが良くならない!
このような経験がある方も多いかもしれません。飲み薬だけで鼻づまりが良くなりにくいのには、鼻づまりの発症のメカニズムが関係しています。
くしゃみ・鼻水・鼻づまりのメカニズム
花粉症の代表的な症状は、次の3つです。
くしゃみ
鼻水
鼻づまり
どれも似たような症状に思えますが、体の中で起きていることは異なります。
くしゃみと鼻水には「ヒスタミン」という物質が深く関わっています。花粉が体に入ると、異物を外に出そうと免疫反応が起きて、ヒスタミンが放出されます。
ヒスタミンは、鼻の粘膜にある神経を刺激して、くしゃみを引き起こし、その反射で鼻水も出てくるのです。
花粉症でよく処方される飲み薬は「抗ヒスタミン薬」といって、このヒスタミンの働きを抑える薬です。そのため、くしゃみや鼻水には効果が出やすいとされています。
一方、鼻づまりは、鼻の粘膜そのものが腫れて、空気の通り道が狭くなっている状態です。この腫れにはヒスタミン以外の物質も関わっているため、抗ヒスタミン薬だけでは十分に抑えられないことがあるのです。
こうした理由から「飲み薬を飲んだらくしゃみや鼻水は楽になったのに、鼻づまりだけが残る…」ということが起こってしまいます。
🔸 ステロイド点鼻薬は毎日使うのがポイント
「点鼻薬は症状がつらいときだけ使えばいい!」
これはよくある誤解の一つです。ステロイド点鼻薬は、毎日続けて使ってこそ効果があります。
ステロイド点鼻薬は、即効性があまり期待できないタイプの薬です。効き始めるまでに、数日から1週間ほどかかることがあります。
しかし、毎日続けていると「いつの間にか楽になってる」というように効果が感じられるようになってきます。
花粉症の季節は、症状があってもなくても「決められた回数を守って毎日使う」ことを意識してみてください。
ステロイド点鼻薬でも良くならないときは?
ステロイド点鼻薬で鼻症状が十分に良くならない場合には、点鼻タイプの抗ヒスタミン薬を追加することがあります。
✅ ステロイド点鼻薬 + 抗ヒスタミン点鼻薬
海外の研究では、この2つを組み合わせると、鼻症状がより改善しやすくなることが報告されています。最近では、この2つの成分が1本にまとまった配合剤もあります。

🔸 ステロイド点鼻薬は怖くない?
「ステロイド」と聞いて、副作用が心配になる方もいると思います。
ステロイド点鼻薬は、鼻の粘膜に局所的に作用する薬であり、体全体に作用する薬ではありません。そのため、飲み薬のステロイドとは、 副作用のリスクがまったく異なります。
現在の考え方では「ステロイド点鼻薬を長期間使用しても、全身への副作用はほとんど心配ない」とされています。
起こりうる副作用と対策
とはいえ、ステロイド点鼻薬に副作用がまったくないわけではなく、鼻血や鼻の中の乾燥などが起こる可能性があります。
ただし、これらの副作用は、点鼻薬の使い方に気をつけることで、かなり減らすことができるとされています。
🔸 副作用リスクを減らせる点鼻薬の使い方
点鼻薬に怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、点鼻薬の使い方にはコツがあります。
次に解説する5つの工夫で、しみたり鼻血が出たりすることを減らせるため、ぜひ知っておきましょう。

① 噴霧口を鼻の真ん中に当てない
鼻の真ん中の壁(鼻中隔)は、粘膜が薄くて傷つきやすい部分です。ここに直接スプレーすると、鼻血の原因になってしまいます。
噴霧するときは、噴射口を鼻の外側の壁に向けましょう。
② 軽く顎を引いて、外側に向ける
頭を後ろに反らせて上を向くと、薬がのどに流れて苦く感じます。また、噴射した薬が流れてしまったら、十分な効果が得られません。
軽く顎を引いて、正面〜やや下を向いた状態で噴霧しましょう。
③ 左右の手を入れ替える
右の鼻には左手で、左の鼻には右手で噴霧すると、自然と外側に向けやすくなります。
④ 乾燥がひどい人は生理食塩水スプレーを併用
鼻の中が乾燥していると、点鼻薬がしみやすくなります。
しみる場合は、ステロイド点鼻薬を使う前に、生理食塩水のスプレーで鼻を湿らせておくと楽になることがあります。
⑤ 使った後は軽く鼻をすする程度に
噴射したあとに強く吸い込むと、のどに流れてしまいます。点鼻薬を使用したあとは、軽く鼻をすする程度にとどめておきましょう。
🔸 飲み薬だけの我慢から卒業しよう
花粉症によるつらい症状を、飲み薬だけで我慢し続ける必要はありません。
鼻づまりが気になる方は、ステロイド点鼻薬を治療の主役として考えることで、症状が楽になることがあります。少しでも楽に過ごせる方法を、一緒に考えていきましょう。
リベ大総合クリニック大阪院では、花粉症の治療や相談に対応しています。
「どの点鼻薬がいいかわからない…」
「点鼻薬の正しい使い方を教えてほしい!」
このようなお悩みがある方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
みなさまが「ご機嫌な毎日」を過ごせますように!
少しでも参考にしていただければうれしいです。 では、次回のコラムもお楽しみに!
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【参考文献】
Brozek JL, et al. Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma (ARIA) guidelines—2016 revision. J Allergy Clin Immunol 2017.
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Weiner JM, et al. Intranasal corticosteroids versus oral H1 receptor antagonists in allergic rhinitis: systematic review of randomised controlled trials. BMJ 1998.
Carr W, et al. A novel intranasal therapy of azelastine with fluticasone for the treatment of allergic rhinitis. J Allergy Clin Immunol 2012.
日本アレルギー学会.アレルギー性鼻炎ガイドライン 2024年版.