疾患
胃・十二指腸潰瘍(ピロリ菌感染)|どんな病気?
🔹どんな病気ですか?
胃・十二指腸潰瘍とは、
胃液が胃・十二指腸の壁を傷つけて(消化して)しまうことによって起こる病気
で、消化性潰瘍とも呼ばれます。
潰瘍とは、粘膜が削れてしまい、穴が開きそうになった状態を指します。
主な原因としては
ヘリコバクター・ピロリ菌感染
痛み止めの薬(非ステロイド性抗炎症薬) など
があります。
特にピロリ菌に感染している人では、喫煙やストレスにより潰瘍になりやすくなることがわかっています。
🔹どんな症状がありますか?
胃・十二指腸潰瘍の主な症状は以下の通りです。
お腹の上部・みぞおちの鈍い痛み
胸やけ
吐き気
食欲不振
潰瘍ができている部位によって、それぞれ下記のタイミングで痛みを感じることもがあります。
胃潰瘍の場合:食後しばらくしてから
十二指腸潰瘍の場合:夜間
悪化すると潰瘍から出血し、
血液が混じった黒い便
血液の嘔吐(吐血)
を引き起こすこともあります。
ただし、出血していても自覚症状がまったくない場合もあるため、
胃カメラや貧血チェックなどによる早期発見が大切です。
🔹どんな検査でわかるのですか?
胃・十二指腸潰瘍の主な検査としては、次の3つがあります。
1. 内視鏡検査(胃カメラ検査)
2. X線造影検査(バリウム検査)
3. ピロリ菌検査
- 胃カメラ検査時にできるもの:迅速ウレアーゼ試験、培養検査、顕微鏡検査など
- 胃カメラを使わないもの:尿素呼気試験、血液検査など
胃カメラ検査では、潰瘍の状態を直接観察できるため迅速な診断ができ、同時にピロリ菌感染の有無を調べることやポリープ(良性のできもの)の除去も可能です。
バリウム検査や胃カメラを使わないピロリ菌検査は、患者さんの負担が比較的軽い方法です。
ただし、これらの検査で異常が見つかった場合、胃カメラによる精密検査が必要となります。
🔹治療はどうするのでしょうか?
胃・十二指腸潰瘍の基本的な治療は、内服薬による治療です。
ピロリ菌感染の有無によって少し異なります。
ピロリ菌感染あり
除菌(抗生物質2種+胃酸分泌抑制薬の内服)

ピロリ菌感染なし
胃酸分泌抑制薬、粘膜保護剤の内服
また感染の有無にかかわらず、共通の治療としては以下があります。
原因となる薬(痛み止めの薬など)の休薬または変更
生活習慣の改善(禁煙、ストレス管理)
特にピロリ菌の除菌治療は、潰瘍の治療・再発防止だけでなく、
胃がんのリスクを確実に下げることにもつながります。
胃カメラ検査とバリウム検査の違い・ピロリ菌と胃がんリスクについて、下記コラムでもご説明しています。ぜひご覧ください。
引用文献
[1] 日本消化器病学会: 患者さんとご家族のための消化性潰瘍ガイド2023. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/kaiyou_2023.pdf(2025年2月9日閲覧)]
[2] 国立がん研究センター: 科学的根拠に基づくがん予防 2024年11月 第3版. [https://epi.ncc.go.jp/files/02canprev/E7A791E5ADA6E79A84E381ABE6A0B9E68BA0E381ABE59FBAE3.pdf(2025年2月9日閲覧)]