症状
ピロリ菌が気になる
健診の結果用紙を開いたら、「ピロリ菌 陽性」の文字。
体調は悪くないし、痛みもない。
でも「陽性」という言葉がどうにも気になって、調べるほど不安が膨らんでいく。そんな経験はありませんか。
あるいは、ご家族が胃がんと診断されて「自分も調べたほうがいいのだろうか」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜にすみつき、慢性的な炎症を引き起こす細菌です。感染していても自覚症状がほとんどないため、長年気づかないまま胃炎が進行し、胃潰瘍や胃がんのリスクが高まってしまうことがあります。
ただ、ピロリ菌は「見つけて、除菌すれば、将来のリスクを大幅に下げられる」病気でもあります。このページでは、ピロリ菌の基本知識から検査・除菌治療の流れまでをまとめました。
🔶 こんな症状・お悩みはありませんか?
健康診断や人間ドックでピロリ菌「陽性」と指摘された
胃カメラで「萎縮性胃炎」と言われたことがある
親・兄弟姉妹など、近い家族に胃がんの方がいる
慢性的に胃がもたれる、食後に胃が重い
みぞおちのあたりがシクシク痛むことがある
以前から「胃が弱い」と感じている
井戸水を飲んで育った環境がある
ピロリ菌の検査を一度も受けたことがない
50歳以上で、若い頃に比べて胃の不調が増えた
当てはまるものがひとつでもあれば、一度検査を受けておくことをおすすめします。
🔶 受診の目安
今すぐ受診してください
吐血した、または黒っぽいタール状の便が出た
激しい胃痛が続いている
急な体重減少や食欲不振がある
→ ピロリ菌による胃潰瘍や、より重大な疾患の可能性があります。我慢せず、すぐに受診してください。
早めの受診をおすすめします
健診でピロリ菌陽性と指摘されたが、まだ精密検査・除菌をしていない
胃カメラで萎縮性胃炎を指摘されたことがある
家族に胃がんの方がいて、自分は検査を受けたことがない
胃の不調(もたれ・痛み)が2週間以上続いている
→ ピロリ菌陽性を放置する期間が長いほど、胃がんリスクが蓄積します。早めに検査・除菌を。
緊急性は低いことが多いですが、気になるなら相談を
一時的な胃の不調で、数日で治まった
ピロリ菌の検査で「陰性」と確認済み
→ 陰性でも過去に感染していた可能性がある場合は、医師にご相談ください。
🔶 ピロリ菌とは?
胃の中に棲む細菌
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、強い酸性の胃の中でも生き延びられる特殊な細菌です。胃の粘膜にすみつき、ウレアーゼという酵素でアンモニアを作り出し、胃酸を中和しながら生存しています。
おもに幼少期に感染する
感染のほとんどは5歳以下の幼少期に起こります。免疫機能が未熟な時期に、親からの口移しや衛生環境が整っていない水を通じて感染します。大人になってから新たに感染することはまれです。
日本人の感染率は世代で大きく異なる
50代以上では感染率が30〜50%と高い一方、若い世代では10%以下まで低下しています。衛生環境の改善が進んだためですが、親世代からの感染で若い方にも保菌者がいます。
感染しても自覚症状はほとんどない
これがピロリ菌の最も厄介な点です。痛みも不調もないまま、数年〜数十年かけて胃の粘膜にダメージが蓄積していきます。
除菌すれば、将来の胃がんリスクを大幅に下げられる
除菌治療は1週間の内服で完了します。除菌に成功すると、将来の胃がん発症リスクが1/3〜1/2に低下することが大規模な研究で明らかになっています。
🔶 ピロリ菌が引き起こす病気
ピロリ菌に感染した状態を長く放置すると、以下のような病気を引き起こすリスクが段階的に高まります。
慢性胃炎(表層性胃炎)
ピロリ菌に感染すると、まず胃の粘膜に軽い炎症(慢性胃炎)が起こります。この段階では自覚症状がないことがほとんどで、胃カメラで偶然見つかるケースが大半です。「胃がなんとなく重い」「食後にもたれる」といった軽い症状を感じる方もいますが、日常生活に支障がないため放置されがちです。
萎縮性胃炎
慢性胃炎が長年続くと、胃の粘膜が徐々に薄くなり、本来の機能を失っていきます。これが「萎縮性胃炎」です。胃酸の分泌が減り、食べ物の消化力が落ちるため、「以前より胃がもたれやすくなった」と感じることが増えます。
萎縮性胃炎は、胃がん発生の「土台」とも言われる状態です。萎縮が進むほど胃がんのリスクが高まることがわかっているため、この段階でピロリ菌を除菌し、炎症の進行を止めることが重要です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ピロリ菌が引き起こす炎症がさらに深くなると、胃や十二指腸の粘膜がえぐれてしまう「潰瘍」になることがあります。みぞおちのズキズキした痛みが特徴で、胃潰瘍は食後に、十二指腸潰瘍は空腹時に痛むことが多いです。
潰瘍の治療では、胃酸を抑える薬で粘膜を修復するとともに、ピロリ菌の除菌を行います。除菌をしないと潰瘍が治っても再発を繰り返すことが多いため、原因であるピロリ菌を根本から取り除くことが大切です。
胃がん
胃がんは日本人に多いがんのひとつですが、ピロリ菌感染がなければ発症リスクは極めて低いことがわかっています。裏を返せば、ピロリ菌を除菌することで、胃がんの最大のリスク因子を取り除くことができるのです。
ただし、除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。とりわけ萎縮性胃炎がすでに進んでいる方は、除菌後も定期的な胃カメラ検査で経過を見守ることが大切です。早い段階で除菌するほど効果が大きいので、「陽性と言われたけど、まだ何もしていない」という方は、ぜひこの機会に一歩を踏み出してください。
🔶 受診時に教えていただきたいこと
うまく言葉にできなくて大丈夫です。以下を整理しておいていただけると、診察がスムーズに進みます。
健診・検査の結果
ピロリ菌の検査結果(陽性/陰性)、胃カメラの結果があればお持ちください
家族の病歴
ご両親やご兄弟に胃がん・胃潰瘍の方がいるかどうか
胃の症状
もたれ、痛み、胸やけなど、気になる症状があればお伝えください
服用中の薬
胃薬や痛み止め(NSAIDs)を日常的に使っている場合
過去の除菌歴
以前に除菌治療を受けたことがある場合は、時期と結果を
何も準備がなくても診察は可能ですので、ご安心ください。
🔶 当院での検査・除菌治療の流れ
STEP 1 ピロリ菌の検査
ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる方法はいくつかあります。当院では、患者さんの状況に応じて最適な検査を選択します。
尿素呼気試験(UBT)——専用の薬を飲んで、吐く息を調べる検査。痛みはなく、精度が最も高い方法です
血液検査(抗体検査)——採血でピロリ菌の抗体を調べます。健診で行われることが多い方法です
便中抗原検査——便を提出して調べる方法。簡便で精度も良好です
STEP 2 胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)
ピロリ菌が陽性の場合、除菌治療を健康保険で受けるには「胃炎がある」ことの確認が必要です。そのため、除菌の前に胃カメラで胃の状態を一度確認させていただきます。
<当院の胃カメラ検査の特徴>
経鼻内視鏡に対応——鼻からの細いカメラで、嘔吐反射が起きにくく楽に受けられます
鎮静剤の使用が可能——うとうとした状態で検査を受けていただけます
当日検査にも対応——朝食を抜いてお越しいただければ、当日に検査できる場合があります
STEP 3 除菌治療
胃カメラで胃炎が確認され、ピロリ菌陽性が確定した場合、除菌治療を開始します。
1次除菌——胃酸を抑える薬(PPI)と2種類の抗菌薬を、1日2回・7日間服用します。成功率は約70〜80%です
2次除菌——1次除菌で菌が残った場合、抗菌薬の種類を変えて再度7日間服用します。2次除菌まで含めると、成功率は約95%以上です
いずれも保険適用で受けられます
STEP 4 除菌判定
除菌薬の服用が終わってから4週間以上あけて、再度「尿素呼気試験」を行い、ピロリ菌がいなくなったかどうかを確認します。除菌成功が確認できれば、治療は完了です。
🔶 除菌後の生活と注意点
・除菌後も定期的な胃カメラ検査を
除菌に成功しても、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。とくに萎縮性胃炎が進んでいた方は、年1回の胃カメラ検査をおすすめします。
・除菌直後は胃酸が増えることがある
ピロリ菌がいなくなると胃酸の分泌が回復するため、一時的に胸やけや胃酸過多の症状が出ることがあります。多くは数週間〜数か月で落ち着きます。
・食生活は急に変える必要はない
除菌後に特別な食事制限は不要です。ただし、暴飲暴食や塩分の過剰摂取は胃に負担をかけるため、バランスの良い食事を心がけてください。
・再感染の可能性はきわめて低い
成人が新たにピロリ菌に感染することはまれです。除菌に成功すれば、再び感染する心配はほぼありません。
・ご家族の検査も検討を
ピロリ菌は親から子への感染が主な感染経路です。ご自身が陽性だった場合、お子さんやご兄弟の検査も一度検討されることをおすすめします。
🔶 よくある質問
Q. ピロリ菌の除菌治療は痛いですか?副作用はありますか?
除菌治療は飲み薬を1週間服用するだけですので、痛みはまったくありません。副作用として、下痢・軟便(10〜30%)、味覚の変化(苦味を感じる)、腹部膨満感が出ることがありますが、いずれも軽度で、薬の服用が終われば自然に治まります。副作用が心配な場合は、事前にご相談ください。
Q. ピロリ菌の除菌は保険が使えますか?費用はどのくらいですか?
胃カメラ検査で胃炎(ピロリ菌感染に伴う慢性胃炎を含む)が確認された場合、除菌治療は健康保険が適用されます。3割負担の場合、検査+除菌薬で約6,000〜8,000円程度が目安です(胃カメラ検査の費用は別途かかります)。詳しい費用は診察時にご説明します。
Q. ピロリ菌を除菌すれば、もう胃がんにはなりませんか?
除菌によって胃がんのリスクは大幅に低下しますが、残念ながら「ゼロ」にはなりません。とくにすでに萎縮性胃炎が進んでいる方は、除菌後も一定のリスクが残ります。「除菌したから安心」ではなく、「除菌したうえで、定期検査も続ける」——これが胃がん予防の最善策です。
🔶 ピロリ菌が気になったら、まずはご相談ください
ピロリ菌は、自覚症状がないまま胃にダメージを蓄積させる「沈黙の感染」です。しかし、検査で見つけて除菌すれば、将来の胃がんリスクを大きく減らすことができます。
「健診で陽性と言われたけど、まだ何もしていない」「家族が胃がんになったので、自分も調べたい」。そんな段階からで構いません。
リベ大総合クリニック大阪院では、ピロリ菌の検査から胃カメラ、除菌治療、除菌判定まで、すべてワンストップで対応しています。
📍アクセス情報
リベ大総合クリニック大阪院
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