公開日
2025.6.5
更新日
2026.7.27
生活習慣病
【予備軍脱出!】あなたの血糖値が高い理由:血糖スパイクを防ぐ暮らし方

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
あなたは、以下の中で思い当たることはありませんか?
夜遅い食事が多い・食べすぎてはいないのに体重が増えた
睡眠不足で寝ても疲れがとれない
ストレスを感じると甘いものが食べたくなる
食事が偏りがち・軽食が多い
実は、こうした毎日に潜むちょっとした習慣が「血糖スパイク」を引き起こし、いつのまにか血糖値が高めの糖尿病予備軍となってしまっている方が見受けられます。
血糖値のコントロールは「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」「どんな睡眠をとっているか」「ストレスとの付き合い方」「腸内環境」など、生活習慣全体と深く関係しています。
今回は、当院を受診された3人の患者さんを例に、血糖スパイクを防ぐ「暮らしの整え方」についてご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、糖尿病予備軍を脱出するための秘訣を、1つでも試していただけるとうれしいです。
🔸血糖スパイクとは?知られざる落とし穴
「血糖スパイク」とは
食後1〜2時間に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象
のことをいいます。
糖尿病の基準としてよくみられる「空腹時血糖」が正常な方でも、食後にこの血糖スパイクが起こっていることがあり、健康診断では見逃されることも多いため「かくれ高血糖」とも呼ばれます。
【血糖スパイクのイメージ】

例えば、こんな生活習慣がある方は血糖スパイクが起こりやすくなります。
朝食抜きで昼に大量に食べる
夕方にお菓子を食べ、夜もしっかり夕食をとる
こうした血糖値の乱高下が何度も起こると、糖尿病を始めとするさまざまな病気のリスクが高まります。また、疲れやすくなったりイライラしたりといった不調の原因にもなります。

そのため、血糖値をコントロールして健康を維持するためには、血糖スパイクを起こさないようにする生活習慣が大切です。
💭とはいえ、身体にやさしい食事をしているから大丈夫
と思っていませんか?
実は同じ食事でも、食べる時間によって血糖値に影響を及ぼすことがあるのです。
山田さんの例を見てみましょう。
🔸「夜に食べると太りやすい」本当の理由

山田さん(仮名・45歳)営業職
仕事が忙しくて。帰宅が遅くなったり商談後の付き合いがあったりすることも多く、夜10時以降の食事が週に3回ほどありますね。
たくさん食べているわけではないんですけど、最近体重が増えてきて…ズボンがキツいですね。笑
健康診断では血糖値は正常範囲でしたが、HbA1c値は6.3%と高め。糖尿病予備軍といえます。
「夜に食べると太りやすい」というのには、科学的な理由があります。
私たちの身体は、1日24時間のリズムに合わせてホルモンや代謝をコントロールする「体内時計(サーカディアンリズム)」を持っています。
この時計に合わせて、膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモン(インスリン)の量も変わることが知られています。
そして夜は「インスリンが出にくい時間帯」です。
そのため、昼間と同じメニュー・むしろ少なめの食事だとしても、夜遅くに食べること自体が
血糖値を上げやすく
身体に負担がかかる
原因となるのです。その結果、太りやすくなってしまいます。
特に、夜10時以降の炭水化物は、昼間より血糖が1.3〜1.5倍上がることも。
どうしても夜遅くなりがちな方は、以下のポイントを参考に工夫してみましょう。
「食べる時間」と食事のポイント
ごはん・パン・麺などの主食は「朝>昼>夜」の順で、食べる量を減らしましょう
夕食はなるべく夜10時まで、寝る2時間前までに終えましょう
遅くなる場合は「タンパク質・野菜」を中心に

🔸眠りと血糖値の意外な関係?寝ても疲れが取れないなら要注意
毎日帰りも遅く、疲れているのに寝つきが悪くて、寝ても疲れが取れないと感じていました。
年齢のせいかな、と思っていましたが、先生にたまたまお話したところ、睡眠は血糖値にも関係しているとのこと。知りませんでした!
寝不足は、実はあなたの血糖値と食欲に影響を及ぼします。
糖を分解するホルモン
満腹感や空腹感といった、食欲をコントロールするホルモン
これらのホルモンバランスが乱れ、血糖値をコントロールしづらい状態となるのです。
いつもより1〜2時間ほど睡眠時間が短い場合、翌日の血糖値が15〜20mg/dLほど高くなるという報告もあります。
睡眠の質もまた、血糖値のコントロールには重要なポイントです。
下記を参考に、ぜひ今夜から睡眠環境を見直してみましょう。
今日からできる"眠りの質を高める"ヒント
カフェインは寝る6時間前までにしましょう
緑茶やコーヒーなど、カフェインを含む飲み物は睡眠の質を下げる原因になります。
寝る前のお酒も眠りが浅くなるため、おすすめしません。
寝室の環境を整えましょう
温度:18〜20℃、湿度:50%前後
少しひんやりした、暗く静かな部屋にすることで深い眠りにつきやすくなります。
朝起きたら10分以内に太陽光を浴びましょう
体内時計がリセットされ、ホルモン分泌や代謝を整えるのに役立ちます。
山田さんは以前に「いびきがうるさい」と家族に指摘されたこともあり、睡眠に関わる病気の検査も受けていただいたところ、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
そのため、食事と睡眠の両方から治療を行った結果、現在はHbA1cの値も落ち着き、睡眠の質も改善され、糖尿病予備軍から無事脱出。
「夜10時以降のラーメンはなるべく避けて、豆腐・ワカメたっぷりの味噌汁など、血糖値を上げにくいものを選ぶ」といった工夫をご自身のペースで、できることから取り組んでくださいました。
🔸ストレスが招く甘い誘惑…そのとき役立つ「〇〇の呼吸」

鈴木さん(仮名・36歳)事務職
職場の人間関係や、締め切りのある仕事でストレスを抱えていました。甘いものを食べてホッとしたくて、ついお菓子やアイスを食べすぎてしまうことも。
でも食べ過ぎた後の罪悪感で、また別のストレスが…
ご自身の現在の血糖値を知りたいとのことで当院を受診されました。
検査の結果、空腹時血糖は125mg/dLと上限ギリギリ。お話を伺いながら、お薬などによる治療ではなく、ストレスのコントロールを目的とした生活習慣の改善をアドバイスさせていただきました。
ストレスが続くと以下のような悪影響が出ます。
食欲を抑えにくくなり、特に甘いものが欲しくなる
甘いものを食べると、脳は一時的に幸福感や安心感を得られてストレスが和らぐため「もっと欲しい」と思うようになる
インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなる(インスリン抵抗性)
こうして、食べすぎや慢性的な高血糖が引き起こされてしまいます。
あなたの身体と心を守るために、例えば次のような対策を試してみてはいかがでしょうか?
あなたを守るストレス対策
「6秒の呼吸」でリラックス
「3秒かけて大きく息を吸う + 3秒かけてゆっくり吐く」
これを数回繰り返しましょう。これだけで副交感神経が優位になり、ストレスホルモンを抑えることにつながります。
仕事の合間や電車の中など、気づいたときに。
マインドフル・ウォーキングで気軽に瞑想
いつもよりゆっくりと、足の裏・足の動き・腕の振り・呼吸などに意識を向けながら丁寧に歩く方法です。
歩数やスピードではなく、身体の感覚や歩くリズムに集中することで、脳のストレスを小さくすることができるといわれています。
デジタルにも夕暮れを
寝る1時間前には、なるべくスマホやパソコンをオフに。
画面から出るブルーライトを避けることで睡眠の質が改善され、ストレスで疲れた脳を休ませることができます。

鈴木さんは通勤途中や休みの日に、マインドフル・ウォーキングを取り入れることに。
気分転換ができて、イライラした気持ちとの付き合い方が上手になり、甘いものに手が伸びることが少なくなったと実感しているそうです。
ストレスをゼロにすることは難しくても、適切な対処法で血糖値をコントロールしていきましょう。
🔸腸内細菌が左右する?血糖値の安定は腸活から

田中さん(仮名・67歳)年金暮らし
風邪気味で、近所のかかりつけ病院が休みだったもので、抗生剤をもらいにきました。
気になっていることですか? そうですね…
現在は一人暮らしなので、食事は簡単にすませがちです。とはいえ、暴飲暴食などはしていないにもかかわらず、かかりつけでは「血糖値が高め」と言われ、どうしたものかと思っています。
田中さんはまずは風邪を治すことが優先でしたが、食事はお茶漬けなどですます日もあるとのことで、血糖値についても心配がありました。
血糖値コントロールに関して、意外と見過ごされがちなのが「腸内環境」です。
私たちのお腹にはたくさんの腸内細菌が棲みついており、そのバランスが腸内環境を作り出しています。
最近の研究では、腸内環境を整えると便通や肌の調子だけでなく、血糖値にも大きな影響を与えることがわかってきました。
ぜひ下記のポイントを参考に、毎日の「腸活」で腸内環境を整えましょう。
腸を元気に整える「腸活」のコツ
水溶性食物繊維+発酵食品を積極的に摂りましょう
水溶性食物繊維:海藻、納豆、さつまいも、オクラ、オートミールなど
発酵食品:味噌、納豆、キムチ、ヨーグルトなど
野菜を毎食、食べるようにしましょう
「こぶし2つ分の野菜」が目安量
なるべく同じものばかりにならないよう、いろいろな種類を選んで
抗生剤の使用は必ず医師に相談しましょう
抗生剤は腸内細菌のバランスを崩してしまうため、血糖値の変動にも影響します。
医師から処方された病気に対してのみ、決まった種類・量・期間をきちんと守って使いましょう。「自宅に余っているから」といった理由で、自己判断で使うことは控えましょう。
田中さんは当院の管理栄養士とも相談のうえ、まずは1日1食、小鉢程度の野菜や味噌汁を食べるように心がけました。また納豆やヨーグルトなどを常備して、いつでも食べられるように工夫したところ、かかりつけの病院では血糖値が安定してきているとのことでした。
食事について何かお悩みのときには、当院の管理栄養士へご相談いただきながら健康管理を続けられています。
ちなみに、風邪のときに抗生剤を飲んでも効き目はありません。
田中さんには説明してご理解いただき、体調をきちんと確認したうえで、お薬は出さず安静にしてもらいました。
くわしくは下記のコラムもご参照ください。
🔸選んで、試して!血糖スパイクに効く4つの秘訣
血糖値は、あなたの生活リズム・睡眠の質・ストレス状態・腸内環境などと密接につながっています。
だからこそ、あなたに合ったさまざまな方法で生活習慣を総合的に見直すことで、血糖値コントロールはもっと自然で、無理のないものにできるはずです。
血糖スパイクを防ごう!生活習慣4つの秘訣【総まとめ】
1. 「いつ食べるか」を忘れずに
食事は朝しっかり・夜軽め。夜10時までに「ごちそうさま」
2. 眠りの質をランクアップ
寝室はひんやり、暗く。朝は太陽の光で体内時計をリセット!
3. ストレス対策は呼吸から
イライラしたら6秒の呼吸、寝る前1時間はスマホをオフに。
4. 腸活でお腹から健康に
水溶性食物繊維+発酵食品で腸を元気に!抗生剤は医師に相談。
今回ご紹介した内容は、どれも今日から実践できるものばかりです。
すべてを一度に変える必要はありません。「今の自分にできそうなこと」を1つ選んで、まずは1週間試してみませんか?
もし「何から始めればいいかわからない」「自分に合った方法を知りたい」と感じられたら、お気軽に当院へご相談ください。あなたの生活スタイルに合わせた、続けやすいプランを一緒に考えさせていただきます。
リベ大総合クリニック大阪院では、今のあなたに一番必要な治療・アドバイスをオーダーメイドでご提供することを心がけています。
生活習慣に関するお悩みや疑問を解消できるよう、スタッフ一同、サポートに努めてまいりますので、小さなことでも遠慮なくお聞かせください。
それではまた、次のコラムで!