健康コラム

公開日

2024.12.5

更新日

2026.7.27

生活習慣病

予備軍必見!血糖値を下げるには?糖尿病のキホンを解説!

糖尿病に関連するイラスト。中央に大きく『DIABETES』と書かれ、その周囲には注射器、血糖値測定器、体重計、薬のカプセル、採血用チューブなどが描かれている。背景には日本語で『糖尿病』や『ダイアベティス』と薄い文字で記載されている。

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。


健診などでよく見かける「血糖値」は、身体に必要なエネルギーの指標です。

筋肉を動かしたり脳を働かせたりするためには、ある程度の血糖値が欠かせません。

しかし血糖値が高い状態が続くと、糖尿病やその合併症を引き起こし、全身にダメージを与える原因となります。

このコラムでは

  • 血糖値が気になる方

  • 糖尿病のリスクについて知っておきたい方

  • 糖尿病予備軍と言われたことがあるけど、何をすればいいかわからない方

に向けて、

  • 糖尿病が起こる仕組み

  • 合併症のリスク

  • 食事や運動のポイント、治療薬の種類

についてわかりやすくお伝えします。

糖尿病を予防・改善するためのキホンを知って、予備軍からの脱出を目指しましょう!


糖尿病については、下記もぜひご覧ください。

▶︎糖尿病|どんな病気?


🔸血糖値が上がる理由とは?ブドウ糖とインスリンの関係


ごはん、パン、麺類、甘いもの、ジュースなど…

主に炭水化物を食べることによって、体内で炭水化物がブドウ糖に分解、腸から吸収され、血液へと運ばれます。

ブドウ糖が血液中に入ってくると、血糖値が上がります。


すると、すぐに膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌されます(図1)。

インスリンは、ブドウ糖が体内のいろいろな細胞に入るための「カギ」のような役割をもっています。

インスリンによってブドウ糖は細胞に入り、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりすることに役立ちます。

こうして血液から細胞へとブドウ糖が移動することで、血糖値は再び元に戻ります。



【図1】ブドウ糖とインスリン分泌 [筆者作成]

血糖値とインスリンの働きを示した図。腸がブドウ糖を血液中に送り、血液中のブドウ糖を感知した膵臓がインスリンを分泌する様子が描かれている。吹き出しには『ブドウ糖が血液中にきた!じゃあインスリン出すね!』や『ブドウ糖送るよー』といった説明が書かれている。

ブドウ糖が細胞に入る仕組みを説明した図。青い丸で表現されたブドウ糖が、インスリンというカギを持ち、細胞のドアを開けて『中に入らせて!』と言っている様子が描かれている。ドアには『細胞のドア』と記載され、吹き出しで『どうぞ』と応答している。

糖尿病になると、インスリンが足りなくなったり、うまく働かなくなったりして、ブドウ糖が細胞に入りにくくなります。

つまり血液中にブドウ糖がたまったままとなってしまうため、血糖値が高い状態が続くようになります。

🔸全身をむしばむ糖尿病!歯周病との意外なつながり


細胞の中ではエネルギー源として役立つ、ブドウ糖。

しかし実は血液中にたくさんあると、血管を傷つけてしまうことをご存じでしょうか?


もし血糖値が高いまま、糖尿病を治療せずに放置してしまうと…

糖尿病の悪化だけでなく、それから起こる様々な合併症により、全身に悪影響を及ぼします(図2)。


【図2】糖尿病と合併症[文献4より改変]

糖尿病の進行と合併症リスクを示した図。血糖値が正常から糖尿病へと進行する過程で、脂質異常、高血圧、タバコなどが発症のリスク要因となり、重症化すると脳卒中、心筋梗塞、神経の障害、目の障害、腎不全などの合併症が発生する可能性を示している。また、歯周病が糖尿病と関連していることも説明されている。

なお、歯周病は糖尿病の合併症のひとつと言われています。

・歯周病になると糖尿病の症状が悪化しやすい

・歯周病の治療をすることで、糖尿病の改善も期待できる

ことがわかってきています。


そのため当院では、同グループであるリベ大デンタルクリニック大阪院と連携し、どちらのケアもスムーズにできるよう、医科と歯科の双方から患者さんをサポートする体制を整えています。


糖尿病の合併症は数年〜十数年かけて進行するため、気づいた時にはすでに身体が長期間にわたってダメージを受けています。

早めの発見と適切な治療で、重症化や合併症を防ぐことがとても大切です。

🔸まずは食事と運動!それでも無理なら薬でサポート


では、実際の治療ではどんなことをするのでしょうか?

主に生活習慣が原因で起こる糖尿病(2型糖尿病)の治療は、食事療法・運動療法が基本となります。

それぞれ大切なポイントを2つずつご紹介します。

食事療法のポイント

糖尿病の食事療法では、血糖値の急上昇を防ぐことが重要です。


①ゆっくり食べる

早食いは炭水化物が一気に吸収されてしまい、血糖値の急上昇を招きます。

ゆっくり食べることで、インスリンの分泌とタイミングをうまく合わせることにもつながり、満腹感も感じやすくなります。

例えば一口量を少なくして、よく噛むようにすると、同じ食事量でも自然とゆっくり食べられるでしょう。

  • 一口ずつよく噛む

  • 食事時間の目安:20~30分程度かける


②食物繊維を積極的にとる

食物繊維により血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。またコレステロールの吸収を抑える働きもあります。

  • 野菜、海藻、きのこ類、豆類など

  • 摂取量の目安:1日20g以上

運動療法のポイント

運動療法は血糖値を下げるだけでなく、インスリンの働きを良くし、体重管理にも役立ちます。


①軽い運動を選ぶ

いつでも・どこでも・続けられる運動であることがポイントです。

少しずつでOK!無理なく続けられるものを選びましょう。

  • ウォーキング、ストレッチなど

  • 運動の目安:週3〜5回程度、今より1日2,000歩ほど多めに歩くことを目標に


②低血糖に注意

糖尿病の治療薬も使用している方は、運動中の低血糖に注意しましょう。

  • 運動前に血糖値を測定し、低めの場合はバナナや少量のチョコを食べておく

  • こまめな水分補給を心がける


食事と運動を改善することで、糖尿病の治療につながります。

実際に行う際は医師と相談しながら、あなたに合った内容で始めましょう!

薬物療法のタイミングと種類

2型糖尿病で食事療法・運動療法を2〜3ヵ月続けても十分に効果が得られない場合には、薬による治療を行います。


糖尿病の治療薬は飲み薬、注射薬などたくさんの種類があります。

血糖値は上がりすぎても下がりすぎても身体によくないため、仕組みの違う薬をいくつか組み合わせて、ちょうどよい効果が得られるように調節します。


下表は薬の分類を簡単に示したものです。

もしご自身の薬でわからないことがあれば、医師や看護師、薬剤師にご相談くださいね。


【表】糖尿病治療薬の種類[文献8を参考に作成]

糖尿病治療薬の種類をまとめた表。薬の効く仕組みに基づいて分類されており、それぞれに対応する薬のタイプ(飲み薬、注射薬、飲み薬/注射薬)が記載されている。例として、膵臓からのインスリン分泌を促進する薬には『スルホニル尿素(SU)薬』『速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)』『DPP-4阻害薬』が含まれる。他に、ブドウ糖の吸収スピードを抑える薬や、インスリンの効きを改善する薬、腎臓からブドウ糖を排出する薬、不足しているインスリンを補充する薬などがリストアップされている。

🔸血糖値をコントロールするのはあなた!自分だけの生活習慣を見つけよう


糖尿病は、早期発見・早期治療でしっかりコントロールできる病気です。

次の3ステップを意識して、あなたの健康を守りましょう!


1. まずは健診で、ご自身の血糖値を定期的にチェック!


↓↓ここからは医師と一緒に進めましょう

2. 食事や運動などの生活習慣を、少しずつ見直そう!

ポイント:

①血糖値の急上昇を防ぐ食べ方をする

②無理なくできる運動を選ぶ


3. それでもうまくいかないときは、薬で調節

ただし、薬には副作用もあります。頼るのは最後の手段と心得ましょう。


リベ大総合クリニック大阪院では

・生活習慣の改善は、患者さん一人ひとりに合わせたものであることが大切

と考えています。

診察では事前に、あなたの生活環境や状況をくわしく教えていただいた上で、ベストな治療とサポートをご提案いたします。

糖尿病に関して不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。


ちなみに、糖尿病の治療は世界中で研究が進められています。1型・2型といったこれまでの分け方ではなく、新たな5つのタイプに分けることで、より一人ひとりに効果的な治療法が見つかる可能性が期待されています。

また「糖尿病」という病名による偏見をなくすため「ダイアベティス」という呼び方に変えようという動きもみられます。

最新の治療法や興味深い研究などがあれば、このコラムでもお伝えしていきますね!


それではまた、次回のコラムをお楽しみに!



引用文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット 山岸 良匡: 糖尿病. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-002.html(2024年11月23日閲覧)]

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット 木村 仁美: 糖尿病. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-048.html(2024年11月23日閲覧)]

[3] 日本糖尿病学会 編著: 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂. 2024. 

[4] 厚生労働省: 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン 令和6年3月版. [https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001225327.pdf(2024年11月23日閲覧)]

[5] リベ大デンタルクリニック福岡院: 私たちの想い 歯周病が全身に及ぼす影響. [https://libedental-clinic-fukuoka.com/philosophy(2024年11月23日閲覧)]

[6] 食事療法に関する委員会 編: 健康食スタートブック -生活の質向上をめざして- . 一般社団法人日本糖尿病学会. 2024. [https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/kenkoshokustartbook/kenkoshokustartbook.pdf(2024年11月30日閲覧)]

[7] Ahlqvist E, et al.: Lancet Diabetes Endocrinol. 2018; 6(5): 361-369.

[8] 日本糖尿病学会: 一般の方へ 糖尿病の治療について. [https://www.jds.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=4 (2024年11月30日閲覧)]

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