健康コラム

公開日

2025.9.29

更新日

2026.7.27

生活習慣病

高血圧と薬|ホンネに答えるQ&A

血圧計とハートの模型、Q&Aの吹き出しアイコンが並んだ画像

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。


🌀血圧の薬、使わずになんとかなりませんか?

🌀一度飲み始めたら、もう一生やめられないって本当ですか?

🌀薬に頼るのって、なんだか負けた気がして...

診察室では、こんな患者さんからの声をいただくことがあります。


一方で、こうした相談ごとを口に出せる方はごく一部で、多くの方はちょっとした疑問や不安をぐっと飲み込んで、なんとなく治療を始めてしまうこともあるのでは?と、心配に思うことがあります。

高血圧は、息の長い治療が必要です。小さなモヤモヤをそのままにしておくと、やがて大きなお悩みとなり、治療を中断してしまうことにも。


そこで今回は、みなさんから寄せられた疑問やお悩みに、Q&A形式でお答えしていきたいと思います。

薬とうまくつきあう4つのコツもご紹介。ぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです。


診察室で勇気を出して、心の声を相談してくださった患者さんに感謝を込めて。


高血圧については、下記もぜひご覧ください。

▶︎高血圧|どんな病気?


Q1. そもそも、なぜ血圧の薬が必要なのでしょうか?

A. 高血圧の原因はさまざまで、生活習慣の改善だけでは不十分な場合があります。

「患者さんのホンネ」と書かれた吹き出しイラスト

運動もがんばっているし、塩分も控えているのに…薬って本当に必要でしょうか?


生活習慣の改善を心がけているにもかかわらず「薬を出しますね」と言われると、なんだか疑問に思う気持ちもありますよね。

それは決して「あなたの努力が足りないから」ではありません。ある程度の運動や減塩ができている患者さんであっても、薬の処方を検討することがあります。

その理由は

  • 高血圧は、いろいろな要因が組み合わさって起こる病気だから

です。


【降圧薬の処方を検討する要因】

  • 加齢による血管の変化

年齢とともに血管が硬くなり、血圧が上がりやすくなるリスクがあります。

  • ホルモン・他の病気の影響

更年期を迎えた方や、甲状腺・副腎などの病気の影響により、血圧を上げるホルモンが増えてしまうことがあります。睡眠時無呼吸症候群も高血圧を引き起こします。

  • 遺伝的体質

ご家族に高血圧の方がいる場合、体質的に血圧が上がりやすいことが知られています。

  • これまでの血管ダメージ

すでに高血圧の状態が長く続いていた場合、血管がダメージを受けているため、より慎重な治療が必要となることがあります。


上記のような要因が考えられる場合には薬を処方し、ていねいに治療していきます。

高血圧治療の基本は「生活習慣の改善」であることに変わりはありませんが、サポーターとして薬をうまく活用することも大切なのです。

高血圧の要因(加齢、ホルモン、遺伝、血管ダメージ)を示すパズル図

Q2. 薬を一度飲み始めたら、やめられないのでしょうか?

A. 薬を減らしたり、いったんストップしたりすることもあります。

「患者さんのホンネ」と書かれた吹き出しイラスト

「高血圧の薬は一生飲み続ける」と聞いたことがあって…なんだか気が重いです。


これは半分正解で、半分誤解かもしれません。

薬を続ける方が多いことは事実ですが、一方で薬を「卒業」できる方もいらっしゃいます。

実際に当院でも、薬を減らしたり、いったんストップしたりすることがあります。

例えば下記のような変化があり、他に懸念される大きなリスクがない患者さんの場合です。

  • 肥満ぎみだった体重を10kg減量できた

  • 運動習慣が定着した

  • 禁煙に成功した

  • ストレスにうまく対処できるようになった

ただし、健康において重要なのは「薬を飲んでいるかどうか」ではなく、「血圧がきちんとコントロールできているか」ということ。薬を飲みながら血圧をコントロールできているのであれば、それは健康的な生活といえます。

あまり身構えず、まずは高血圧による身体への負担を軽くしてあげることを優先しましょう。

Q3. 血圧が下がったら、自分で薬をやめても大丈夫ですか?

A. 自己判断で薬をやめてはいけません。必ず医師にご相談ください。

「患者さんのホンネ」と書かれた吹き出しイラスト

薬を飲み始めたら血圧が下がってきました!試しに、昨日から薬をやめてみました。


ちょっと待ってください!実はこれ、とてもキケンです。

薬を飲むと血圧が下がるのは、単に「薬が効いている」のであって、「高血圧が治った」わけではありません。

自己判断で薬をやめてしまうと、以下のようなリスクがあります。

  • 血圧が急上昇(リバウンド)する

  • 脳卒中などを引き起こすきっかけとなる

薬の調節・中断は、必ず医師と相談してください。あなたの身体の状態を注意深くみながら、一緒に安全なタイミングを考えていきましょう。

自己判断で薬をやめると血圧が急上昇し脳卒中を招くリスクを示す警告図

Q4. 薬の副作用が不安です。どんなことに注意すべきですか?

A. 下記の例や「白衣高血圧」にご注意ください。

「患者さんのホンネ」と書かれた吹き出しイラスト

薬の副作用が怖くて。飲むのをつい、ためらってしまいます。


降圧薬は長期にわたって飲み続けることを想定し、特に安全性に優れたものが選ばれています。

とはいえ、過去に何かの薬でアレルギーが出たことのある方や、副作用で悩まされたことのある方などは、新たな薬に慎重になるのは自然なことだと思います。


以下のような症状がある場合は、医師にご相談ください。

【降圧薬で起こる副作用の例】

  • めまい・立ちくらみを感じる

  • だるさを感じる

  • 咳が出る

  • 足がむくむ など


どんな薬にも副作用のリスクは付きものです。しかし、高血圧による身体へのダメージはもっと恐ろしいものです。

期待できる効果と副作用のバランスを考えて、あなたに合った薬をきちんと選びましょう。


なお、診察室では「白衣高血圧」と呼ばれる現象が起こり、血圧が高めに出てしまう方がいらっしゃいます。その数値にもとづいて薬が処方されると、薬の量が必要以上に多くなってしまうことも。

そうしたリスクを避けるためにも、自宅で血圧をはかり、普段の数値を知っておくことが大切です。


白衣高血圧については、こちらでも解説しています。

▶︎なぜ自宅で血圧をはかるべきなのか?

Q5. 薬に頼りたくないのですが...

A. 「頼る」というよりも「うまく使う」ととらえましょう。

「患者さんのホンネ」と書かれた吹き出しイラスト

薬を飲むのは、なんだか負けた気がして…できれば飲みたくないのですが。


このようにおっしゃる方は、実はめずらしくありません。

特にこれまで大きなケガや病気をしたことのない方ほど、薬による治療に抵抗感を持たれることがあります。


「薬に頼りたくない」と感じる方は、次のようなイメージをしてみてはいかがでしょうか?

  • メガネ・マスク:身体に取り込む花粉を減らして、花粉症を予防

  • 冷たい飲み物:体温を下げて、熱中症を予防

  • 降圧薬:血圧を下げて、動脈硬化や心筋梗塞を予防

「頼る」というよりも「あるものをうまく使う」という発想でとらえてみましょう。

すると、病気の治療や予防のために薬を飲むことは

  • 「負け」ではなく、むしろ健康というゴールへ「勝ちにいく」こと

という感覚が湧いてくるのではないでしょうか。

薬を飲むことは健康というゴールへ「勝ちにいく」ことだと示すイラスト

ちなみに、診察室でこうした患者さんにお会いするとき、私は

💭正直に伝えてくれて、うれしいなぁ

と感じます。


患者さんが、心の奥にある不安や疑問、治療に対する希望など「本音」をさらけ出してくれることから、本当の治療は始まります。

その本音に対し、

  • 現在の状態・考えられる原因

  • 治療選択肢

  • 期待できる効果・起こり得るリスク

などをお伝えして一緒に考えていくことが、治療の成功と健康に何より大切だと思っています。


ここまでご紹介した患者さんのように、高血圧に関するあなたの「本音」を、ぜひ当院でお聞かせくださいね。

🔸薬と上手につきあうためのコツ

ここからは、薬を飲み始めた後、上手につきあっていくためのコツを4つご紹介します。

1. 薬の飲み忘れを防ぐコツ

  • 「朝食後」など、毎日決まったタイミングで服用しましょう

  • 薬カレンダーやアプリを活用して忘れないようにしましょう

  • ご家族にサポートをお願いできる場合は「飲んだ?」と一言、声をかけてもらうようにしましょう

2. 薬の効果を適切にチェックするコツ

  • 定期的な血圧測定(できれば朝晩2回、自宅で!

  • 定期的な血液検査(動脈硬化などの状態を確認)

  • 尿検査・心電図・エコー検査(腎臓・心臓への負荷を確認)

3. 薬を「卒業」するコツ

  • 減塩(1日6g未満)

  • 適度な運動(ウォーキングなど、1日30分以上)

  • 体重を減らす(BMI25未満)

  • お酒を減らす(ビールなら500mLまで)

薬を飲んでいても、生活習慣の改善は続けましょう!


くわしくはこちらもご覧ください。

▶︎1gから始めよう:減塩が防ぐ高血圧の静かな脅威 

4. 他の健康法が気になる・薬がイヤになったときのコツ

  • 医師に遠慮なく相談する

意外かもしれませんが、実はこれも大切なコツ。

テレビやSNSなどから簡単にたくさんの情報が得られる今だからこそ、あなたに合った正しい情報を選び抜くのは至難の業。そんなときはシンプルに「医師に直接聞く」ことも忘れないでください。

あるいは薬が「イヤになった」ときも。笑

他院で処方された薬のセカンドオピニオンなどもお気軽にご相談ください。

診察室で医師と向き合って相談している患者さんのイラスト

🔸未来のためにモヤモヤ解消!高血圧はホンネで相談


高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれ、気づかないうちに命にかかわる状態を引き起こします。目に見えないダメージからあなたの大切な血管を守ってくれるのが、降圧薬です。


薬を飲むことは、今の血圧を下げることだけが目的ではありません。

生活習慣の改善効果を加速させ、

数年後の動脈硬化や心筋梗塞といった合併症を防ぎ、

10〜20年先の健康を守ること

につながっています。

今回ご紹介した内容が、薬に対するあなたのモヤモヤを少しでも解消するお役に立てば幸いです。


リベ大総合クリニック大阪院ではその他、降圧薬についての疑問・質問をいつでもお受けしています。あなたに合った答えを一緒に見つけていきましょう。

「高血圧を放置してしまう」ことだけは決してないようにと、願っています。診察室でこっそり本音を聞かせてくださいね。



それではまた、次のコラムで!


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受診前にお問い合わせいただけます。どうぞお気軽にご利用ください。



参考文献

[1] 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 山岸 良匡: 高血圧.  [https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003(2025年9月29日閲覧)]

[2] 日本高血圧学会他 編: 一般向け「高血圧治療ガイドライン」解説冊子『高血圧の話』. ライフサイエンス出版. 2019. [https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf(2025年9月29日閲覧)]

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