健康コラム

公開日

2026.3.18

更新日

2026.3.18

総合診療

大腸がん予防の生活習慣|今日からできる4つのポイント

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。

🌀 大腸がんって、家族歴がなければ大丈夫でしょ?

🌀 生活習慣って何に気をつければいいんだろう? 


大腸がんは、日本人に多いがんの一つですが、「自分には関係ない」と思っていませんか?


実は、大腸がんには生活習慣で「変えられる」リスク因子があるんです。 

今回のコラムでは、今日から始められる予防のポイントを一緒に確認していきましょう!

🔸 まず知っておきたい:リスク因子には2種類ある


リスク因子とは、大腸がんの「なりやすさ」に影響する要因のことです。


リスク因子には、大きく分けて2種類あります。

今日お話するのは、図の右側「自分の意思で変えられる」部分です。

ここを意識することで、大腸がんになるリスクを下げられる可能性があるんです。

🔸 リスク因子① 喫煙(まず見直したい生活習慣)


🌀 タバコって、肺がんじゃなくて大腸がんにも関係あるの?


と不安に思った方もいるかもしれません。

実は、喫煙が大腸がんのリスクを高める可能性があることが、多くの研究で指摘されています。


「何本までなら安全?」とよく聞かれることがありますが、正直に言うと、ゼロが最も合理的です。

タバコは大腸がんだけでなく、さまざまながんや心臓・血管の病気のリスクを高める可能性があるとされています。


そうは言っても「なかなかやめられない」という方は多いですよね。

その気持ち、よく分かります。


タバコは「意志が弱いからやめられない」のではなく、ニコチン依存という「病気」なんです。


今は、禁煙外来で保険を使って治療できます。 

貼り薬や飲み薬を使うことで、自力でやめるよりはるかに成功率が上がります。


「いつかやめよう」ではなく、「今日、禁煙外来を予約する」。それが禁煙への第一歩です。


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🔸 リスク因子② 飲酒(「少量なら健康」は過去の話)


「少しのお酒は健康にいい」というのは、昔よく言われていましたよね。


しかし、最近の研究では、その考え方は見直されています。

国際がん研究機関(IARC)は、アルコール飲料を「発がん性あり(グループ1)」に分類しています。


そして、大腸がんも、アルコールが原因となるがんに含まれているんです。


🌀 え、じゃあお酒は全くダメってこと…?


と思った方へ。「一滴も飲むな」とは言いません。

まずは量を減らし、できればゼロに近づけていくことが大切です。

いきなりゼロにするのは難しくても、「少しずつ減らす」ことから始めてみましょう。

🔸 リスク因子③ 肥満(体重より「腹囲」を見よう)


実は、世界がん研究基金のレポートでも、体脂肪と大腸がんの関連がまとめられています。


ただ、ここで大事なのは、「体重」よりも「内臓脂肪」に注目することです。

体重が同じでも、お腹周りに脂肪が多い人ほどリスクが高いとされています。


だから、チェックすべきは「腹囲」です。


ある研究では、腹囲が10cm増えるごとに大腸がんのリスクが約2%高くなることが示されています。


そのため、腹囲や内臓脂肪を意識した生活習慣の見直しが大切なんです。

まずは「痩せなきゃ」と思いすぎるより、「お腹周りを意識する」くらいから始めてみてください。

🔸 リスク因子④ 運動不足(まずは少し動くことから)


身体活動量が多い人ほど、がんのリスクが低い可能性があることが研究で示されています。


🌀 でも、ジムに通う時間なんてないし…


大丈夫です。ジムに行く必要はありません。

大切なのは、「運動」だけでなく「身体活動」を増やすことです。


✅️ 通勤で一駅歩く

✅️ エレベーターを階段に変える

✅️ 買い物は歩いて行く

✅️ テレビを見ながらストレッチ


こういった「生活の中の動き」も、立派な身体活動です。


研究では、「運動ゼロ→少しでも」の変化が、健康にとって大きな意味を持つことがわかっています。

週150分の運動が理想とされていますが、まずは「今より10分多く動く」から始めてみましょう!


▼関連コラム

週150分の運動ってどれくらい?忙しい人のための「現実的な方法」

🔸 おまけ:食事のことも少しだけ


今回のメインテーマからは少し外れますが、食事についても触れておきます。


IARCは、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)を「発がん性あり(グループ1)」に分類しています。

そして、大腸がんがその対象に含まれています。


加工肉を「絶対に食べるな」とは言いません。

でも、毎日大量に食べるのは避けた方がいいということです。

加工肉は「たまに」、普段は魚や鶏肉、豆類などを中心に摂取しましょう。


また、食物繊維を多く摂ることも、大腸の健康には良いとされています。

食物繊維は野菜・果物・海藻・きのこ・全粒穀物などに多く含まれています。


これらを意識して取り入れてみてくださいね。


▼食物繊維については、以下の記事も参考にしてみてください。

【便秘・下痢で悩む方へ】食物繊維の種類と「選び方」ガイド

🔸 今日からできる「4つのチェックリスト」


🌀 結局、何から始めればいい?


という方は、今の自分の状態を把握することから始めましょう。


【まず確認!チェックリスト】

そして、ぜひ試してほしいのが、国立がん研究センターの「大腸がんリスクチェック」です。

喫煙・飲酒・BMI・運動習慣などを入力すると、今後10年の大腸がんリスクを推定してくれます。

チェックすることで、大腸がんへのリスクを「自分ごと」として捉えるきっかけになりますよ。


国立がん研究センター「大腸がんリスクチェック」 

🔸 症状がある人は「生活改善より検査」が先


今回のコラムでは「予防」の話をしてきましたが、すでに症状がある方は、生活習慣を変えるより先に、検査を受けてください。


【受診・検査を優先すべき症状】

□ 血便(便に血が混じる)

便通の変化(下痢と便秘を繰り返す、便が細くなった)

□ 原因不明の貧血 

□ 意図しない体重減少 

□ お腹の張り、痛みが続く


これらの症状がある場合は、「様子を見る」のではなく「調べる」のが正解です。

当院では、大腸カメラ(内視鏡検査)も対応しています。 

土曜日や一部の日曜・祝日も検査可能ですので、気になる症状がある方は、遠慮なくご相談ください。

▶︎当院の大腸カメラ検査について、詳しくはこちら

🔸 まとめ|変えられるところから、少しずつ


大腸がんのリスク因子には、 自分では変えられないものと、 自分で変えられるものがあります。


今日お伝えした4つのポイント…


  1. 禁煙 

  2. 減酒 

  3. 腹囲(内臓脂肪)の管理 

  4. 身体活動を増やす


これらは、今日から始められます。

全部を一度に完璧にする必要はありません。

「できそうなこと」から、少しずつでも大丈夫。


まずはリスクチェックをやってみる。

次に、一つだけ生活を変えてみる。

その小さな一歩が、10年後、20年後のあなたを守るかもしれません。


みなさまが「ご機嫌な毎日」を過ごせますように!

少しでも参考にしていただければうれしいです。

では、次回のコラムもお楽しみに!



【参考文献】

  1. Botteri E, Iodice S, Bagnardi V, Raimondi S, Lowenfels AB, Maisonneuve P. Smoking and colorectal cancer: a meta-analysis. JAMA, 2008, 300巻, 23号, p.2765-2778

  2. 農林水産省.国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について

  3. World Cancer Research Fund / American Institute for Cancer Research. Diet, Nutrition, Physical Activity and Colorectal Cancer. Continuous Update Project Expert Report 2018.

  4. Abar L, Vieira AR, Aune D, Sobiecki JG, Vingeliene S, Polemiti E, Stevens C, Greenwood DC, Chan DSM, Schlesinger S, Norat T. Height and body fatness and colorectal cancer risk: an update of the WCRF–AICR systematic review of published prospective studies. European Journal of Nutrition, 2018, 57巻, 5号, p.1701-1720

  5. 国立がん研究センター がん情報サービス「科学的根拠に基づくがん予防」(身体活動と大腸がん)

  6. 国立がん研究センター「大腸がんリスクチェック」

  7. IARC Monographs: Red Meat and Processed Meat.(加工肉の発がん性:グループ1)

  8. Abar L, Vieira AR, Aune D, Sobiecki JG, Vingeliene S, Polemiti E, Stevens C, Greenwood DC, Chan DSM, Schlesinger S, Norat T. Height and body fatness and colorectal cancer risk: an update of the WCRF-AICR systematic review of published prospective studies. European Journal of Nutrition, 2018, 57巻, 5号, p.1701-1720

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