健康コラム

公開日

2026.1.16

更新日

2026.1.15

総合診療

週150分の運動ってどれくらい?忙しい人のための「現実的な方法」

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。


🌀 健康のために運動しなきゃとは思ってるけど、忙しくて…

🌀 「週150分」って聞くけど、結局どのくらいやればいいの?


このように「運動しましょう」って言われても、具体的に何を、どのくらいやればいいのか、よくわからないですよね。


今日は、科学的に健康に良いとされている「最低限の運動量」について、無理なく続けられる形でお伝えします。


🔸週150分の運動が「最低ライン」


WHO(世界保健機関)や各国のガイドラインが示す、「健康効果がはっきり出る最低ライン」は、週150分の中強度運動です。


🌀 1週間に150分って、けっこう多くない?


そう感じる方も多いと思います。


1週間で150分ということは、1日あたり約20分の運動です。

「毎日20分の運動」と聞くと、少しハードルが高く感じますよね。


でも大丈夫!

この150分は、自分のライフスタイルに合わせて、いろんな「割り方」ができるんです。

150分の割り方については、また後で解説しますね。

🔸「中強度」の運動目安


中強度の運動目安を測るために、「Talk test(トークテスト)」という方法があります。

これは、心拍計やスマートウォッチがなくても、運動の強度を簡単に判断できる方法です。

🌀 えっ、掃除機がけも運動に入るの?


そうなんです!実は、通勤や家事も「身体活動」としてカウントできるんです。

厚生労働省のガイドラインでは、「運動」だけに限らず、日常生活の動きも含めて「身体活動」として考えています。


だから、「ジムに行かなきゃ!」と気負わなくても大丈夫です。

日常の中で体を動かす機会を増やすだけでも、立派な健康投資になります。

🔸「毎日やらなきゃダメ」はウソ!


🌀 でも、毎日コツコツ運動しないと意味ないんでしょ?


これ、よくある誤解なんです。

厚生労働省のガイドラインQ&Aでは、


  • 「20分以上連続でないと意味がない」

  • 「週3回以上でないと意味がない」


これらは否定されています。


たとえ短時間でも、継続することで運動の効果につながるとされています。

「週末だけまとめて運動する人(Weekend Warrior)」でも、死亡リスクの低下と関連しているという報告もあるんです。


つまり、平日に運動ができなくても、週末にまとめて行うだけで「何もしないよりはずっと効果がある」ということなんですね。


ただし、週末にいきなりハードな運動をすると、けがのリスクがあります。

ウォームアップをしっかりして、強度は段階的に上げることを意識しましょう。

🔸150分を「割り算」しよう!あなたに合うパターンは?


週150分の運動は、さまざまなパターンで分けることができます。

🌀どれが一番いいの?


実は「これが正解」という決まりはありません。


一番大切なのは、自分が「無理なく続けられる方法」を選ぶことです。

朝が苦手な人が「毎朝6時にジョギング」なんて決めても、継続することは難しいですよね。


自分の生活リズムに合わせて、「これなら続けられそう」というスタイルを選びましょう。

🔸「痩せたい人」への正直な話


ダイエット目的で運動を始める人は多いですよね。


実は、運動だけで体重を落とすのは、けっこう難しいんです。

運動すると、食欲が増したり、「運動したからご褒美」と食べてしまったり、いわゆる「エネルギー補償」が起きやすいとされています。

でも、落ち込まないでください!


研究では、週150分の運動で、体重よりも「腹囲」や「体脂肪」が減る傾向が示されています。


つまり、体重計の数字は変わらなくても、お腹周りはスッキリする可能性があるんです。


「体重」より「腹囲」「見た目」で判断する方が、モチベーションも保ちやすいですよ。


▶︎(こちらの記事もチェック)頑張ってるのに痩せない人の共通点〜「意志が弱い」じゃない本当の理由〜

🔸筋トレも「週2回」でOK


🌀 有酸素運動だけじゃダメなの?筋トレも必要?


可能であれば、筋トレも取り入れましょう。

WHOや厚生労働省も、筋力トレーニングを週2〜3日実施することを推奨しています。


  • スクワット

  • 腕立て伏せ(膝をついてもOK)

  • プランク


これらを週2回、各10回ずつでも、何もしないよりはずっと良いです。

「週2回のスクワット」を習慣にするだけで、10年後、20年後の健康を支える土台になります。

🔸こんな症状があったら、運動前に相談を


以下の症状がある方は、運動を始める前に医師に相談してください。


運動中の胸の痛みや圧迫感

□ めまい、失神したことがある

□ 安静時でも強い息切れがある

□ 心臓病の既往がある

□ 膝や腰の痛みが強い


せっかく健康のために始める運動で、体を壊しては本末転倒です。


当院では、総合診療の観点から幅広い内科疾患に対応しています。

ちょっとした気になることがある場合でも、お気軽にご相談ください。


▶当院の診療についてはこちら


🔸「ゼロ」と「ちょっと」の差は、とても大きい



週150分の運動が理想とされていますが、そこに届かなくても大丈夫です。


100分でも、50分でも、10分でも、「ゼロ」よりは確実に体にいいと言われています。


「毎日30分ジョギング」なんて無理でも、「通勤で一駅歩く」「エレベーターを階段に変える」など、これだけでも立派な一歩です。


完璧を目指して何もしないより、不完全でも何かやる方が、体にとってずっとプラスになります。


あなたの生活に合った「運動の形」を、一緒に見つけていきましょう。

みなさまが「ご機嫌な毎日」を過ごせますように!


少しでも参考にしていただければうれしいです。

では、次回のコラムもお楽しみに!





【参考文献】

  1. CDC:運動強度の測り方(Talk test / METs)

  2. Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, Borodulin K, Buman MP, Cardon G, Carty C, Chaput JP, Chastin S, Chou R, Dempsey PC, DiPietro L, Ekelund U, Firth J, Friedenreich CM, Garcia L, Gichu M, Jago R, Katzmarzyk PT, Lambert E, Leitzmann M, Milton K, Ortega FB, Ranasinghe C, Stamatakis E, Tiedemann A, Troiano RP, van der Ploeg HP, Wari V, Willumsen JF. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. British Journal of Sports Medicine, 2020, 54巻, 24号, p.1451-1462

  3. 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.成人版

  4. Flack KD, Ufholz K, Johnson L, Fitzgerald JS, Roemmich JN. Energy compensation in response to aerobic exercise training in overweight adults. American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology, 2018, 315巻, 4号, p.R619-R626

  5. Jayedi A, Soltani S, Emadi A, Zargar MS, Najafi A. Aerobic Exercise and Weight Loss in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis. JAMA Network Open, 2024, 7巻, 12号, p.e2452185

  6. 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要)

  7. O'Donovan G, Lee IM, Hamer M, et al. Association of "Weekend Warrior" and Other Leisure Time Physical Activity Patterns With Risks for All-Cause, Cardiovascular Disease, and Cancer Mortality. JAMA Internal Medicine, 2017, 177巻, 3号, p.335-342

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