公開日
2024.11.9
更新日
2026.7.27
生活習慣病
脂質異常症のケアで動脈硬化予防!今から始めるコレステロール対策

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
🌀健康診断でコレステロールが基準値オーバーだった…
そんな経験はありませんか?
コレステロールや中性脂肪などの脂質は、体にとって欠かせない成分です。
一方で
そのバランスが崩れた状態=脂質異常症
になると血管に負担がかかり、動脈硬化などを引き起こす原因となります。
このコラムでは
コレステロールまたは中性脂肪の値が高めの方
将来、動脈硬化などの病気が不安な方
ご家族の中に、心臓病や脳卒中を経験された方がいらっしゃる方
のために
脂質異常症の影響、動脈硬化リスク
予防や改善に役立つ日常生活のアドバイス
についてお届けします。
ちなみに、これまではよく「高脂血症」と呼ばれていましたが、近年は
悪玉コレステロールや中性脂肪が高い状態
だけでなく
善玉コレステロールが低い状態
も含め、血液中の脂質バランスが崩れた状態を「脂質異常症」と呼ぶようになっています。
脂質異常症って?
と思われた方は、下記もぜひご覧ください!
🔸知らぬ間に進む血管リスク あなたの10年後は大丈夫?
健康診断でコレステロール値に異常が見られても
脂質異常症はほとんど自覚症状がないため、
患者さんによっては受診・相談を先送りしてしまいがち。
一方で、脂質異常症から始まる動脈硬化は少しずつ進行し、
やがて心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクがあります。
【図1】動脈硬化リスク [筆者作成]

🌀とはいえ、体調も悪くないし特に困ってないよ!
🌀リスクって言われても、ピンと来ないな…
という方も多いと思います。
実は、あなたの「今後10年間の動脈硬化リスク」は
以下の項目などにもとづく「久山町スコア」から予測することができます[1, 2]。
性別
年齢
血圧
コレステロール値
タバコの習慣 など
▼「久山町スコア」とは
全国平均とほぼ同じ年齢・職業分布を持つ福岡県糟屋郡(かすやぐん)久山町(ひさやままち)の住民を対象とする「久山町研究」から生まれた、脳卒中などの発症リスクを予測するための点数表。
久山町研究は1961年にスタートし、今もなお60年以上にわたって続けられている生活習慣病の疫学調査です。追跡率99%以上という高精度を誇る貴重なデータにもとづいており、研究は今も続いています[3]。
【図2】久山町 [4]

これまで、大阪府吹田市(すいたし)の住民をモデルとした「吹田スコア」が主に用いられていましたが、2022年からは久山町スコアに変わりました。
例えば
男性の場合:女性より +7ポイント
タバコを吸う場合:吸わない人より +2ポイント
といった感じで、
ポイントの合計点数と、その時点での年齢から予測される10年間の動脈硬化リスクを
1%未満〜40%以上まで導き出すことができます。
このスコアを確認することで、早期の予防や対策につなげることができます。
気になる方は、診察室で気軽に聞いてみてくださいね。
一緒に計算しながら確認してみましょう!
🔸今日からできる!動脈硬化を防ぐ4つの習慣
自分のコレステロール値が高めなのは知ってるし、動脈硬化のリスクはわかったけど
…何をどうしたらいいの?
というあなた。
次の4つのアドバイスの中から取り入れられそうなものを選んで、ぜひ日常生活にお役立ていただければと思います!
例えば、悪玉(LDL)コレステロールが今より20〜30%下がると、心筋梗塞のリスクが約30%も下がることがわかっています[1]。
できることから始めて、まずは悪玉(LDL)コレステロール値を160mg/dL未満にすることを目指しましょう!
1. 食事:ちょっとした工夫で、おいしく予防♪
カラフルなメニューで食物繊維たっぷり
食物繊維をとることは動脈硬化の予防につながります。
あなたの食事は茶色1色…!となっていませんか?
食事の色味が増えるよう気をつけることで、野菜や海藻など食物繊維を含む、栄養バランスのよい食事を自然にとることができます。
肉か魚で迷ったら、魚!
サバやサンマなどの魚は、悪玉コレステロールを下げる効果のあるEPAやDHAが多く含まれています。
迷ったときは魚料理を選べば、おいしく健康に。魚の缶詰でもOKですので、できれば週に2〜3回食べることが理想的です。
もちろん、どうしても肉が食べたい!という日は、お肉をどうぞ。ただし脂身やバターは控えめに!
2. 運動:気負わず楽しく、が続けるコツ
激しい運動や特別な気合いは不要。
これ、運動っていえるかな…?というくらいの軽いものでも、続けることが大切です。
掃除や買い物での動作
好きな音楽を聴きながらの散歩
など、体を動かすことを日常や趣味に組み込み、1日約20〜30分の運動を心がけてみましょう!
3. 禁煙:得られる効果は早くて、確実。
タバコは善玉(HDL)コレステロールを減らしてしまい、血管の健康を損なうことになります。
一方、禁煙の動脈硬化予防効果は、性別や年齢にかかわらず、禁煙開始直後から現れ、疾患リスクを低下させることがわかっています。
また医療サポートを受けながらの禁煙は、成功率が高まることが知られています。当院でも禁煙外来を実施しておりますので、禁煙をお考えの方は、ぜひご相談ください。医師が無理のない禁煙プランをご提案します。
4. 体重:適正な体重で、脂質バランスも整いやすく
肥満は動脈硬化を進行させる大きな要因のひとつです。
しかし急激なダイエットは高確率でリバウンドを招き、かえって体によくないため
3〜6ヵ月間で
体重またはウエスト周りを今より3%減らす
ことを目標にしましょう。
少しずつの変化でも、脂質異常は改善されることがわかっています。
🔸ほったらかしNG!脂質異常症はクリニックで早めにケアを
こうした生活習慣の改善は「食事療法」や「運動療法」と呼ばれ、脂質異常症の治療法のひとつです。
コレステロールや中性脂肪の値が悪くなってからあわてて受診
とならないよう、
予防は自分でなんとかするべき
と思わずに、ぜひ早めの受診・相談で健康を守っていきましょう。
リベ大総合クリニック大阪院では、あなたの健康状態や生活習慣にあわせて、総合的なケアを行います。
症状がわかりにくい病気だからこそ、医療スタッフと一緒に早めの対応をしていくことが効果的です。
どうぞお気軽にご相談いただければと思います。
それではまた、次のコラムで!
引用文献
[1] 日本動脈硬化学会 編: 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版. 一般社団法人日本動脈硬化学会. 2022.
[2] Honda T, et al.: J Atheroscler Thromb. 2022; 29(3): 345-361.
[3] 九州大学大学院医学研究院 衛生・公衆衛生学分野 久山町研究室: 久山町研究とは. [https://www.hisayama.med.kyushu-u.ac.jp/about/index.html(2024年11月3日閲覧)]
[4] Map-It マップイット | 地図素材サイト
[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット 山岸 良匡: 脂質異常症. [https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html(2024年11月3日閲覧)]