公開日
2024.9.17
更新日
2026.2.16
胃・大腸カメラ
みえない出血に要注意!便検査でわかる大腸がんリスク
こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
当院の一部の健康診断プランに含まれている「便潜血検査(べんせんけつけんさ)」。
あまり目立たないけれど、実は重要な項目です。
あなたはこれまでに受けたことがありますか?
🌀便秘がちで、検査のタイミングが合わない。つい後回しに…
🌀痔があるから、便検査は必ずひっかかるんだよね。放っておいても大丈夫!
もしあなたがそう思っていらっしゃるなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
コラム第11回目は「みえない出血に要注意!便検査でわかる大腸がんリスク」というテーマで、
・便検査でわかること
・結果が陽性のとき、次にすべきこと
についてご説明します。
日本人に多い大腸がんのリスクについても、お伝えします。
あなたの健康を守るためのきっかけとなればうれしいです。
🔸検便とは違う?便潜血検査とは?
健康診断で一般的に行われる便検査は、便に微量の血液が混ざっていないかを調べる検査で、正確には便潜血検査と呼ばれます。
飲食業の方などが受ける「検便」が、食中毒の原因となる病原菌がいないかどうかを調べるために行われるのに対し、
「便潜血検査」は主に大腸がんや大腸ポリープなどを早期発見するために行われます。
いろいろな原因によって大腸の中で出血が起きている場合に、その血液がわずかに便に混ざることがあります。
目で見てもわからない程度のごく少量であることが多いので、この検査をすることで腸の中の異常を知ることができます。
🔸検査が「陽性」となる主な原因5つ
腸の中で出血が起こった結果、血液が便に混ざり、便潜血検査「陽性」と判定されます。
主な原因として考えられる状態や病気は、下記の5つです。
1. 痔(じ)
最もよくある原因としてあげられ、いわゆる「いぼ痔」や「切れ痔」などにより肛門付近で出血が起こりやすくなります。
そのため、検査結果が陽性だったとしても
痔だから血が混ざってるんだよね?大腸は大丈夫でしょ!
と放置してしまうことも。
大腸がんなど他の病気がもし隠れていた場合、気づくことが遅れてしまうリスクもあるため、一度きちんと大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けることを検討しましょう。
2. 大腸がん
がん細胞は、まわりに血管をはりめぐらせて栄養をとり、自らを増やそうとします。そのため、がんのあるところには血管が集まっており、ちょっとした刺激でも出血しやすくなっています。
早期の大腸がんではごく少量の血液しか出ませんが、便潜血検査では陽性として判定することができます。
3. 大腸ポリープ
ポリープ(できもの)が、こすれたり傷ついたりして出血することがあります。
ポリープは良性の場合が多いですが、時間が経つとがん化することもあるため注意が必要です。
4. 炎症性腸疾患
腸に炎症が起こる病気(クローン病や潰瘍性大腸炎など)により、炎症のある部位から出血することがあります。
5. 感染性腸炎
ウイルス、細菌、寄生虫などによる感染症です。主な症状は下痢ですが、重症例や腸管出血性大腸菌(O157)などへの感染では出血が起こります。
🔸40歳からはじめよう!健康のための2つのステップ
大腸がんは、日本人の部位別がん患者数では第1位。
年間約16万人が診断され、5万人以上が亡くなっています(2023年推計値)[1]。
ただし早く見つけて治療すれば、5年後も生きられる確率(※)が92.3%と、治療の結果が期待できます(病期:Ⅰ期の場合)[2]。
一方で、進行するとその確率は18.3%にまで下がってしまいます(病期:Ⅳ期の場合)。
初期の大腸がんは自覚症状がほとんどないため、積極的に検査を受けない限り、気づくことが難しい病気です。
40歳を過ぎると、大腸がんのリスクが少しずつ高まることが知られています。
「あのときわかっていたら…」そんな後悔をしないために、ぜひ次の2ステップを実践しましょう。
ステップ1:年に1回、便潜血検査を受けることを習慣にしましょう。
便潜血検査は食事制限や注射が不要で、自宅でいつでも行える比較的手軽な検査です。
痔や、女性の場合は月経(生理)によって陽性となることもあるため注意が必要ですが、
気づきにくい大腸の異変をみつける重要なきっかけとなります。
もし便潜血検査が陽性となったときは、次のステップ2へ進みましょう。
ステップ2(結果が陽性の場合):大腸カメラ検査を必ず受けましょう。
「大したことない」と自己判断せず、くわしい検査で原因をしっかり調べることがとても大切です。
体からのSOSを見逃さず、一歩ふみだすことが、将来のあなたの健康を守る大切な決断になります。
🔸検査と同時に治療まで。初めての方も安心して受けられる大腸カメラ検査
大腸カメラ検査では、腸の中を直接観察し、血管や粘膜の表面まで詳しくチェックします。
また、検査中に発見された良性のポリープや、がんになる手前の病変などはその場で切除することができます。
そのため大腸カメラ検査は、再検査・入院などの手間・費用なしに、検査と治療を同時に行うことができるとても有効な検査方法といえます。
一方で「下剤が大変そう」「恥ずかしい」「苦しそう」といったイメージを持たれることも。
リベ大総合クリニックでは、初めての方でも安心して受けていただけるよう、患者さんのお気持ちに配慮した検査を大切にしています。
地域の中核病院で内視鏡手技の経験を持つ内視鏡専門医と、内視鏡検査室専属の看護師が、最新の検査機器を駆使して小さな病変も見逃さず、できる限り痛みや不安の少ない高水準の検査を心がけています。
あなたの健康を守るため、定期的な検査を心がけましょう。
検査についてわからないことや不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
それでは、また次回のコラムをお楽しみに!
※純粋に「がんのみが死因となる状況」を仮定して計算する、ネット・サバイバルという計算方法にもとづく生存率
引用文献
[1] がんの統計編集委員会 編: がんの統計2024. がん研究振興財団, 2024.
[2] 国立がん研究センターがん情報サービス: 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 大腸がん5年生存率. [https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2014-2015&elapsed=5&type=c02#h-title(2024年9月16日閲覧)]