公開日
2026.5.1
更新日
2026.4.29
総合診療
連休前にチェック!旅先で困らない薬の持っていき方

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
🌀 旅行の予定があるけど、薬はどうやって持っていくべき?
🌀 飛行機に乗るときは、スーツケースに入れちゃダメ?
🌀 旅行中くらい、薬を休んでもいいかな…
ゴールデンウィーク、お盆、年末年始は、遠くにお出かけする方も多いと思います。
旅行の予定があるとき、日頃からお薬を飲んでいる方は「旅行中の薬、どうしよう」と悩むかもしれません。
そこで、今回のコラムでは、旅先で困らないための「薬の準備のポイントや注意点」について、解説していきます!
🔸 旅行中も薬はいつも通り続ける

「旅行中くらい、薬を飲まなくてもいいかな」と考える方もいるかもしれません。
旅行中はルーティンが崩れやすく、気も緩んでしまいがちになると思います。しかし、特に、血圧やコレステロール、糖尿病の薬は、いつも通り続けるのが原則です。
薬をきちんと飲み続けている人ほど、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすリスクや、これらによる死亡リスクが低くなることが、過去に実施された複数の研究で繰り返し示されています。
数日の飲み忘れでいきなり重大な事態が発生するわけではありません。ただ「まぁいっか」がクセになると、旅行以外の場面でも飲み忘れが増えていきます。
旅行中もいつも通りのペースを守ることが、健康を維持するために大切です。
🔸 旅行の薬の準備:4つのポイント

ここからは、薬を準備するときのポイントを4つご紹介します。出発前に、ぜひ確認してみてください。
① 旅行日数+3〜5日分、用意する
「3泊4日だから、4日分あれば十分」といったように考えていませんか?
飛行機の遅延
天候の悪化
体調を崩しての滞在延長など
旅行は、予定通りにいかないこともよくあります。
旅行日数ぴったりではなく「旅行日数+3〜5日分」を目安に薬を準備しておくと安心です。アメリカ疾病対策予防センター(CDC)も、旅行の全期間をカバーする量に加え、遅延に備えて少し余分に持参するよう推奨しています。
薬が足りないときは、出発の1〜2週間前までにかかりつけ医に相談しておきましょう。
② お薬手帳も用意する
旅先で急に体調を崩したとき「今飲んでいるお薬は?」と必ず聞かれます。
お薬手帳を見せると、相手に正しく情報が伝わります。原本でも、スマートフォンで撮った写真でも、お薬手帳アプリでもいいので、すぐ見せられる形で準備しておきましょう。
また、海外に行くなら、かかりつけ医に英語の薬剤リストや紹介状を用意してもらうと、現地での受診がスムーズになります。
③ 飛行機移動では手荷物に入れる
飛行機で移動する場合、薬は手荷物に入れましょう。
預け荷物は、紛失や遅延により、目的地に届かないリスクがあります。また、貨物室は気温が大きく下がることがあり、インスリンなど温度管理が必要な薬は、薬の品質にも影響が出かねません。
エピペンや吸入薬など、緊急時に使うものは 頭上の荷物棚ではなく、座席の手元に置いておくのがベストです。
④ 元の容器・ラベル付きで持っていく
普段使いに便利な「ピルケース」ですが、飛行機に乗るときは、元の容器に入れたまま持っていくのが原則です。
セキュリティチェックで中身を聞かれたとき、ラベルを見せれば薬の名前・用法用量をすぐに伝えられます。また、旅先で医療機関にかかった場合にも、今飲んでいる薬を正確に把握してもらえるメリットがあります。
ピルケースも併用したい場合は、元の容器も一緒に持っていきましょう。
🔸 旅行中の薬に関してよくある質問
ここからは、旅行前によくいただく薬に関する質問にお答えします。
Q:時差があるときの飲み方は?
A. 「出発時は日本時間のスケジュールで飲み、到着後は現地時間に徐々にずらしていく」というやり方が一般的です。
ただし、薬の種類によっても対応が異なります。特に、毎日同じ時間に飲む必要がある薬 (血圧の薬、甲状腺の薬、糖尿病の薬、ピルなど)は注意が必要なので、出発前にかかりつけ医や薬剤師に相談しておくのが一番安心です。
飲み忘れが心配な方は、スマートフォンのアラームを活用するのもおすすめです。
Q:飛行機の持ち込みで気をつけることは?
A. 錠剤や粉末などの内服薬は、基本的に機内持ち込みが可能です。インスリン製剤などの自己注射用の針も、機内持ち込みが認められています。
国土交通省によると、液体の薬や軟膏は、1容器あたり0.5ℓ(または0.5kg)以下、1人あたり合計2ℓ(または2kg)以下までと示されています。
不安なときは、出発前に航空会社のWebサイトで確認してください。
Q:海外に持っていけない薬はありますか?
A. 国によって、持ち込める薬の規制が異なります。
医療用の麻薬は、自分の治療のために持ち運ぶ場合でも、出国時・帰国時に厚生労働省への申請と許可が必要です。
また、医療用の向精神薬は、基本的には許可なしで持ち運べますが、1か月分を超える量や注射剤を日本へ持ち込む場合は、処方箋の写しなどの書類が必要になります。
該当する薬を飲んでいる方は、出発前にかかりつけ医や薬剤師に確認しておきましょう。
🔸 まとめ|しっかり準備して楽しい旅行を
旅行は、日常から離れてリフレッシュできる時間です。そんな時間を満喫するためにも、出発前にしっかり薬の準備をしておきましょう。
旅行にあたってお薬の悩みがあれば、お気軽にご相談ください。お薬の量や持ち方の確認から、時差がある旅先での調整まで、一緒に整えていきましょう。
少しでも参考にしていただければうれしいです。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
CDC. Traveling Abroad with Medicine. Centers for Disease Control and Prevention.
CDC Yellow Book 2024: Perspectives: Avoiding Poorly Regulated Medicines & Medical Products During Travel.
CDC Yellow Book: Traveling with Prohibited or Restricted Medications.
Chen C, Li X, Su Y, et al. Adherence with cardiovascular medications and the outcomes in patients with coronary arterial disease: "Real-world" evidence. Clin Cardiol. 2022;45(12):1220-1228.
Chowdhury R, Khan H, Heydon E, et al. Adherence to cardiovascular therapy: a meta-analysis of prevalence and clinical consequences. Eur Heart J. 2013;34(38):2940-2948.
Li P, Huang R, Xue Y, et al. Better Medications Adherence Lowers Cardiovascular Events, Stroke, and All-Cause Mortality Risk: A Dose-Response Meta-Analysis. Front Pharmacol. 2021;12:748908.
厚生労働省. 海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて.
国土交通省. 機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例.