公開日
2025.6.30
更新日
2026.2.16
胃・大腸カメラ
【胸やけ解消!】逆流性食道炎セルフケア&胃カメラでわかるあなたのタイプ

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
忙しくて、食事をきちんと取れないことってありますよね。
そんなときはスキマ時間に、簡単に食べられるものを一気にほおばったり、甘いお菓子をコーヒーで流し込んだり…。私自身も、ついついやりがちです。
そんな毎日に加え、こんなことが思い当たる方はいらっしゃいませんか?
💬揚げ物やファストフードが好き!
💬昔から早食いだし、食べすぎてしまう
💬最近、食後に胸やけしやすくなった気がする…
もし上記に当てはまる方は「逆流性食道炎」という病気のリスクが高まっているかもしれません。日本人の約10〜20%がこの病気にかかっていると推測されています。
比較的身近な病気で、多くの場合、命に関わるようなことはありません。しかし逆流性食道炎の患者さんは、そのわずらわしい症状によって少しずつ日常生活が影響を受け、健康な人に比べて”生活の質”が低下しているといわれています。
そこで、今回は
逆流性食道炎のキホン知識
他の病気と見分けるための検査
今すぐできる症状改善のコツ
などについてわかりやすくお伝えします。
逆流性食道炎は、正しい知識と早めの治療で十分な改善が期待できる病気です。
ぜひ最後までお読みいただき、よりよい生活を取り戻すきっかけとしてお役立ていただければ幸いです。
🔸2つ以上で危険信号!症状セルフチェックリスト
まずは、あなたの症状をチェックしてみましょう。
【症状セルフチェックリスト】
みぞおちのあたりが焼けるような、ムカムカする感じ(胸やけ)がある
酸っぱい液体や苦い味が口に上がってくる感じ(呑酸、どんさん)がある
胸がつまるような痛みがある
のどに違和感がある、長引く咳がある
食後または夜寝るときに、これらの症状を感じやすい
上記が2つ以上当てはまる方は、胃から食道へ、胃酸の逆流が起きている可能性があります。

🔸胃酸の逆流はなぜ起こる?仕組み&主な原因5つ
そもそもなぜ、胃酸の逆流が起こるのでしょうか?
胃と食道の境目には「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という輪ゴムのような筋肉があります。
食べ物が通るときだけ開き、それ以外はピタッと閉じて、胃と食道はこの筋肉の力で隔てられています。
ところが、さまざまな原因によってこの筋肉がゆるんでしまうと、胃と食道の境目があいまいになり、胃酸が食道の方にまで逆流しやすくなるのです。

こうした括約筋の”ゆるみ”を招く背景には、食生活の欧米化や生活習慣の乱れなどが大きく関わっていると考えられています。
胃酸が逆流する主な原因
食べ過ぎ・早食い
急激に胃が膨れる→胃の内側からの圧力に括約筋が耐えきれず、境目が開きやすくなります。
肥満・腹圧の上昇
肥満などによりお腹側からの圧力(腹圧)が高くなる→胃が圧迫される→圧力に括約筋が耐えきれず、境目が開きやすくなります。
食生活
高脂肪食(揚げ物、肉類など)
お酒、コーヒー、炭酸飲料
チョコレート
みかんなどの柑橘類
これらの食品は胃酸の分泌を増やしたり、括約筋をゆるめる作用があります。
加齢・ストレスなど
年齢とともに括約筋の働きが衰えたり、ストレスや喫煙は症状を悪化させる要因となります。
食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア
胃の一部が横隔膜より上に出てしまう状態。逆流を防ぐ仕組みが弱くなるとともに、逆流した胃酸が食道に長時間とどまることが知られています。
健康な人でも、食後すぐのタイミングでは胃酸が逆流することがあります。
ただしその場合、逆流する胃酸の量はわずかで、短時間で胃の中に戻されるため、問題になることはほぼありません。
逆流が1日に何度も、長い時間起こっていると「逆流性食道炎」という病気になるリスクが高まります。

🔸逆流性食道炎ってどんな病気?3タイプと合併症
胃の中には胃酸という、食べ物を消化するための液体があり、レモン汁よりも強い酸性(pH1〜2)の性質を持っています。この胃酸で胃自体が消化されてしまわないようにするため、胃の壁(粘膜)は自前のバリアで守られています。
一方、食道はバリアがなく、無防備な状態です。
そこへ胃酸が逆流し、長時間とどまってしまうと…食道は“やけど”したような状態になり、粘膜がただれて炎症(食道炎)が起こります。
これが逆流性食道炎と呼ばれる病気です。
症状と炎症のあり・なしで決まる3つのタイプ
逆流性食道炎は「胃食道逆流症」という病気のひとつです。胃食道逆流症は、大きく3つのタイプに分けられます。
①非びらん性逆流症:
自覚症状のみ(食道炎はなし)タイプ
②症状のある逆流性食道炎:
自覚症状・食道炎どちらもあるタイプ
③症状のない逆流性食道炎:
食道炎のみ(自覚症状はなし)タイプ
※それぞれ下記のように呼ばれることもあります。
胃食道逆流症:GERD(ガード)
非びらん性逆流症:NERD(ナード)

日本では
①非びらん性逆流症の患者さんが約59%
②③逆流性食道炎の患者さんが約41%
との報告があります。
【胃食道逆流症の患者さんの内訳】

そして逆流性食道炎は多くの場合、軽症と診断されています。
💭なぁーんだ、ほとんど軽症なら、あんまり気にしなくてもいいのかな?
と思われた、そこのあなた。
とはいえ、逆流性食道炎を放置すると、以下のような合併症が起こるリスクが…。決して、長い間様子見したり、放ったらかしたりしておいてよいという病気ではありません。
油断NG!合併症のリスク
出血
粘膜のただれがひどくなり、吐血や貧血・血便の原因になることがあります。
食道狭窄(しょくどうきょうさく)
炎症を繰り返すことで食道が狭くなり、食べ物が飲み込みにくくなることがあります。
バレット食道・がん化
長期間にわたる逆流で食道の粘膜が変化。この変化した食道のことを「バレット食道」といいます。
バレット食道が起こった場合、日本では”まれな”がんではあるものの、食道腺がんのリスクが高まります。
このように重症化して合併症が起こるリスクや、例え軽症であっても「食事が楽しめない」「ぐっすり眠れない」といった日常生活への影響を及ぼすことも。
「胸やけくらい…」と我慢せず、早めの診断・治療が大切です。
また同じ症状でも、炎症のあり・なし、その程度によっても治療法が変わることがあるため「自分がどのタイプか」をきちんと調べて適切な治療を受けましょう。
🔸胃カメラでわかるタイプ診断
「自分がどのタイプか」を調べるには、胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査が役立ちます。
胃カメラ検査でできること
食道粘膜のただれ・炎症の程度を評価
他の病気(胃潰瘍、食道がんなど)との区別
(治療開始後に)きちんと治療効果が得られているかの確認 など
胃カメラで直接粘膜を観察することで、より正確な診断ができるようになり、適切な治療につながります。
Q. 胃カメラって、苦しいですよね?
当院では「苦しくない、つらくない」検査を目指して、最大限の配慮を行っています。
ご希望に応じて
お薬を用い、ほぼ眠った状態で受けられる検査
鼻からの細いカメラ(経鼻内視鏡)を使うことで”オエッ”となりにくい検査
などをお選びいただけます。
Q. 忙しくて受けるヒマがないです…
土日祝・当日予約OK!
平日はお仕事などで検査が難しい方にも、柔軟に対応しております。
検査自体は約5〜10分
全体の所要時間は1〜2時間程度で終わります。
当院の胃カメラ検査について、詳しくはこちらもぜひご覧ください。
▶︎眠ったままできる胃カメラ検査:「苦痛が少なく、病変を見逃さない検査」を目指しています
🔸今日からできる!胸やけを和らげる5つのコツ
日ごろの生活では、次のような点に気をつけることで、胃酸の逆流を防ぐことが期待できます。
まずはどれかできそうなことを、1週間取り組んでみましょう!
翌週には、少し症状が和らいでいる感覚に気づけるかもしれません。
①ゆったりした服装で
お腹を強く締め付けるような服装は、腹圧を上げる原因となり胃酸が逆流しやすくなります。
ワンピースを選ぶ
ベルトを少しゆるめにする
などして、できるだけゆったりした服装を心がけましょう。

②食べすぎ・肥満はNG
満腹になるまで食べてしまうと、胃が内側から食べ物で押されて、胃酸が逆流しやすくなります。
また、肥満は腹圧が上がりやすいといわれており、体重を減らすと、逆流性食道炎の症状を改善する効果があることがわかっています。
食生活の改善とともに、肥満の解消も大切です。
③お酒・コーヒー・炭酸飲料・チョコレート・柑橘類は避けて
これらの食べ物は胃酸の逆流を招きやすいことが知られています。なるべく避けましょう。

④食後はしばらくイスに座って休憩
食後すぐはイスに座る・立ち姿勢でいるなどして、身体が横になることを避けましょう。
⑤寝るときは厚めの枕でひと工夫
できれば少し厚めの枕を利用するなどして、上半身をやや起き上がらせて寝る姿勢がおすすめです。
また「右を下にして寝る」ことは避けるようにするとよいでしょう。
🔸逆流性食道炎の治療
お薬による治療
お薬による治療では、症状や食道炎の程度に応じて、いろいろな種類を使い分けます。
胃酸の分泌を抑える薬
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
標準的な治療薬
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)
より強力な治療薬
その他の治療薬
胃酸を中和したり、粘膜を保護する薬
症状を和らげる
胃の動きを改善する薬
胃酸の逆流を抑える
漢方薬
症状を和らげる
手術治療
お薬で十分な効果が得られない場合やその他の原因がある場合は、手術による治療を行う場合もあります。
🔸早めの診断がカギ!逆流性食道炎のための3ステップ
逆流性食道炎は適切な診断と治療により、症状の改善が十分期待できる病気です。
3つのステップで、軽症のうちに早めの診断を受けることで、治療の負担をより軽くすることができます。
①症状に気づいたら、まずクリニックへ相談しましょう
②胃カメラ検査で正確な診断を受けましょう
③生活習慣の工夫と適切な治療を続けましょう
リベ大総合クリニック大阪院は、これらのステップに下記のご提供でお応えします。
①土日祝を含む、年中無休の診療体制
②「苦しくない、つらくない」に配慮した、安心して受けられる胃カメラ検査
③あなたの生活スタイルに合わせた、無理のない生活習慣改善アドバイス・治療計画
胸やけなどの症状でお困りの方、胃カメラ検査が不安な方など、まずはお気軽に当院までご相談ください。スタッフ一同、あなたの健康をしっかりサポートいたします。
食事は人生の大きな楽しみのひとつ。元気な胃で、おいしく食事を楽しむ生活を取り戻しましょう。
それではまた、次のコラムで!
引用文献
[1] 日本消化器病学会 編: 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版). 南江堂. 2021. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/gerd2021r_.pdf(2025年6月28日閲覧)]
[2] 日本消化器病学会 編: 患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/gerd_2023.pdf(2025年6月28日閲覧)]
[3] Fujiwara Y, Arakawa T. J Gastroenterol. 2009; 44: 518-534.
[4] 藤原靖弘. 日本消化器病学会雑誌. 2023; 120: 117-126.
[5] Kusano M, et al. J Gastroenterol. 2004; 39: 888-891.
[6] Kusano M, et al. Dig Dis Sci. 2007; 52: 1673-1677.