公開日
2025.8.3
更新日
2026.2.16
健康習慣
【すぐ119番】自分で水が飲めなくなるとき:その前に!命を守る熱中症対策5選

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
毎日、うだるような暑さが続いていますね。
最近は男性でも、日傘をさす方を多く見かけるようになりました。とてもよいことだと思います。
今年5〜7月までの「熱中症」による救急搬送は、すでに5万人を超え、前年同時期を上回っています。
私が救急医として働いていた当時も、日中はもちろん夜間にも熱中症で運ばれてくるケースがありました。
「気をつけてるよ」という方、「自分は大丈夫」と思っている方こそ、熱中症のサインに気づくのが遅れてしまい、命にかかわる危険な状態になることがあります。
ぜひ今一度、この猛暑からご自身や周りの大切な方を守る方法を一緒に確認していきましょう!
🔸今すぐチェック!熱中症のリスク診断
①環境、②体調、③行動の3つのカテゴリーから熱中症リスクを知っておきましょう。
あなたやご家族は大丈夫ですか?
以下の項目をチェックしてみてください。
①環境チェック
□ 室温が28℃を超えることが多い
□ 湿度が70%を超えることが多い
□ 上記の場所に連続して1時間以上、または1日4時間以上いることがある
□ 風通しが悪い
□ 「節約のため」「身体に良いと思って」エアコンの使用をなるべく控えている
②体調チェック
□ 疲れが取れない
□ 食欲がない
□ 寝つきが悪い・眠りが浅いと感じる
□ めまいや立ちくらみが起こることがある
③行動チェック
□ 屋外での仕事が多い
□ 長時間の部活やドライブ・人が集まるイベントの予定がある
□ 水分補給は「のどが渇いてから」
□ 朝食を抜くことが多い
□ お酒をよく飲む
3つ以上当てはまる方は、熱中症のリスクが高まっている可能性があります。
エアコンで起こる「かくれ脱水症」
💬毎日エアコンをつけてるし、あまり汗はかかないよ
そんな方は、「かくれ脱水症」というリスクが。
身体は思っているより早く、水分を失っていきます。特にエアコンの効いた室内では、涼しさゆえに水分補給を忘れがちに。
さらにエアコンは空気を乾燥させるため、自分でも気づかないうちに、身体から水分が奪われていることがあるのです。
【こんな症状ありませんか?】
□ 口の中がネバネバする
□ トイレの回数が減った
□ 尿の色が濃い
□ 便秘ぎみ
□ 夏でも肌の乾燥が気になる
1つでも当てはまる方は、身体が水分不足を訴えているサインかも。
汗をかかなくても、意識して水分をとるようにしてみましょう。
【爪押しで簡単チェック!かくれ脱水症の見つけ方】[1]

🔸暑さ疲れに要注意…8月の熱中症リスク
夏本番、8月の暑さには熱中症になりやすい次のような要因がひそんでいます。
暑さでたまった疲れ
今年は全国的に梅雨も短く、5月頃から続く暑さで、すでに私たちの身体はいつのまにか疲れをため込んでいます。
”エアコンの効いた室内”と”屋外”の温度差による体温調節の負担、寝苦しい夜による睡眠不足、食欲低下による栄養不足…これらが積み重なる8月以降は「暑さに対する抵抗力」が落ちていると考えられます。
生活リズムの乱れ
さらに夏休みで生活リズムが変わったり、帰省や旅行で慣れない環境に身を置いたりすることも、熱中症のリスクを高める要因になります。
普段とは違う環境での体調管理は、思っているより難しいものです。

室内・高齢・夜間が危険を招く!
また、熱中症により救急搬送された方のデータからは、以下の3つのことがわかっています。
① 屋内が最多
熱中症の発生が最も多い場所は、実は「屋内」です。
💭家の中にいるから大丈夫
といった思い込みが、かえって症状に気づきにくくしていると考えられます。
【全国の熱中症による救急搬送状況:発生場所別の割合 2025年7月21日~7月27日(速報値)】[文献2より改変]

② 高齢者が約6割
熱中症の患者さんは「65歳以上」の方が約6割を占めています。
さらに重症化しやすく、熱中症による死亡者の8割以上が高齢者であるとの報告もあります。
年齢とともに体温調節機能が低下し、暑さを感じにくくなることが原因の一つといわれています。
③ 夜間のエアコンが生死を分ける
熱中症による死亡者の9割近くが「エアコンを使っていなかった」ことがわかっています。
故障や誤作動の場合もありますが、電気代や”冷え”を気にして
🌀寝るときはエアコンを消すようにしている
という方も多くみられます。
命を守るために、夜間もエアコンをうまく利用することが大切です。
🔸今すぐできる!室内の熱中症対策5選
屋外では気をつけることも多い熱中症ですが、室内では油断しがち。
そこで、特に室内で過ごす場合のおすすめ対策を5つお伝えします。
どれも今からできる簡単なものばかりですので、ぜひ1つでも多く実践して身体を守りましょう!
1. 温湿度計で暑さを「みえる化」
感覚に頼らず、実際の数値を確認することが大切です。
室内の気温は28℃以下、湿度70%以下に保つことを目安に。
温湿度計は100円ショップなどでも手に入ります。

2. タイミングを決めて水分補給
「のどが渇く前に」飲むのがポイント。
起床時・毎食時・入浴前後・就寝前には、1杯のお水やお茶を飲むようにしましょう。
仕事中などに忘れがちな方は、
スマホのアラームを活用する
「1時間ごとにひとくち飲む」ルールを決める
といった工夫もおすすめです。

3. 塩分チャージを忘れずに
汗で失われるのは水分だけではありません。以下のどれかを目安に、塩分もとるようにしましょう。
【1日の摂取目安量】
梅干しなら:1個
塩飴なら:2〜3個
スポーツドリンクなら:1本程度
ただし、糖尿病や高血圧などにより食事制限がある方は医師にご相談ください。

4. 昼寝タイムで体力回復
昼寝には、体温を下げる働きもあります。
13〜15時の最も暑い時間帯は、15〜30分の昼寝で身体を休めましょう。
ちょっとした休憩でも、意外と体力回復につながります。

5. 「首」を冷やして効率アップ
首筋・手首・足首・脇の下・足の付け根は「身体の表面から太い血管が通っている場所まで」の距離が近く、ピンポイントで冷やすことで、効率よく身体の熱を下げることができます。
ぬれタオル・タオルでくるんだ保冷剤などを5分程度あてるだけでも、体感温度がグッと下がります。

🔸水が飲めない?迷わず行動!熱中症のSOSサイン
きちんと対策をしていても、猛暑が続く毎日では、体調の変化を見逃さないことが何より大切です。
ご自身や周りの方に下記の症状がみられたら、迷わず行動してください。
クリニックを受診すべきサイン
めまい・立ちくらみがある
頭痛がする
食欲がない
吐き気がある
身体がだるい・力が入らない
救急車を呼ぶべきサイン
自分で水が飲めない
意識がもうろうとする
呼びかけに反応しない
けいれんを起こす
身体がとても熱い(体温38℃以上)
特に「自分で水を飲めるかどうか」は重要な判断基準です。
🌀ペットボトルを持てない、口に運べない、飲み込めない…
こんな時は、すぐに119番通報をしてください。
また高体温の目安は38℃以上ですが、たとえ平熱でもぐったりしているようなら一人にならないようにして、救急車を呼んでください。

🔸「おかしいな」と感じたら。いつでも声かけ&相談を
熱中症の危険は、8月が正念場。
一人でなんとかしようとせず「なんだかおかしいな」と思ったら、ご家族や職場の方と声をかけ合って、みんなで乗り切っていきましょう。
特に一人暮らしの高齢者の方・小さなお子さんがいるご家庭では、周りの方の”ちょっとした声かけ”が命を救うこともあります。
「今日も暑いですね、水分取ってますか?」
「エアコンつけてますか?」
こんな一言が、大事なきっかけになります。
リベ大総合クリニック大阪院では、熱中症に関するご相談を随時受け付けています。
「なんとなく身体に違和感が…これって暑さのせい?」「持病があって熱中症対策が不安」など、遠慮せずお気軽にご相談ください。スタッフ一同、あなたの健康を全力でサポートいたします。
一緒に、この猛暑を乗り越えて秋を元気に迎えましょう!
それではまた、次のコラムで!
引用文献
[1] 厚生労働省: 働く人の今すぐ使える熱中症ガイド [https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001521140.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[2] 総務省消防庁: 熱中症による救急搬送人員(7月21日~7月27日速報値) [https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r7/heatstroke_sokuhouti_20250721.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[3] 環境省: 熱中症に関する最新の情報(令和7年3月19日) [https://www.env.go.jp/content/000299035.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[4] 東京都監察医務院: 令和6年夏の熱中症死亡者の状況(東京都23区・確定値)[https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/r6fixed-heatstroke_20250526-pdf(2025年8月3日閲覧)]
[5] 東京大学大学院医学系研究科他: 東京23区における熱中症死亡に関わる背景条件の解析(中間報告、2025年6月20日) [https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2025/release_20250620.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[6] 日本救急医学会 編: 熱中症診療ガイドライン2024 [https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[7] 厚生労働省: 「職場における熱中症対策の強化について」パンフレット [https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf(2025年8月3日閲覧)]
[8] 環境省: 熱中症予防情報サイト 暑さ指数(WBGT)について
[https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php(2025年8月3日閲覧)]