公開日
2026.4.10
更新日
2026.4.9
総合診療
サプリは飲むべき?「なんとなく」で始める前に知っておきたいこと

こんにちは! リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。
今回は「サプリは飲むべき?」というテーマでお話しします。
🌀 健康のためにサプリを飲んだ方がいいのかな…
🌀 食品だから安全でしょ?
こうした疑問やお悩みは、診察室でもよくいただきます。
ドラッグストアのサプリコーナーはどんどん広がっていて、「飲まないと損?」と感じる場面もありますよね。
実は、サプリはすべての方に必要とは限りません。
今回は、サプリを始める前にぜひ知っておいてほしいことをお伝えします。
🔸 結論から言います:全員が飲むべきではない
健康な人がサプリを飲んでも、大きな効果は期待しにくいというのが、現在の医学的な見解です。
その代表的な例が、がんや心臓病の予防目的でのサプリです。
アメリカの予防医学の専門家グループ(USPSTF)では、がんや心臓病の予防目的でのサプリについて以下のように示しています。
βカロテンとビタミンE :「推奨しない」
マルチビタミンなど、その他のサプリ : 「証拠が不十分」
つまり、「サプリを飲めばがんや心臓病を予防できる」という確かな証拠は、まだないんです。
🌀 じゃあ、サプリって意味がないの?
と感じたかもしれませんが、一概にそうでもありません。
サプリは「全員が飲む必需品」ではなく、『条件が合う人には役立つ道具』として考えるとよいかと思います。
🔸 日本でのサプリメントの位置づけ:誤解が起きやすい
日本では、サプリのほとんどは「医薬品」ではなく「食品」として扱われています。
サプリの種類には、以下が挙げられます。

このように、一口にサプリといっても種類はさまざまです。
🌀 え、国が認めてるわけじゃないの?
そうなんです。「機能性表示食品」や「栄養機能食品」は、国が効果を承認しているものではありません。
パッケージに
「◯◯の機能があります」
「◯◯の成分が入っています」
と書いてあると、効果がありそうに感じますよね。
でも実は、必ずしも効果を保証するものではありません。パッケージの表示が公的に認められているように見えるため、「効果があるのではないか」と誤解されやすい点に注意が必要です。
🔸 「食品だから安全」は誤解
「サプリは食品だから安全」とは、残念ながら言い切れません。
実際に、サプリが原因で肝臓に異常をきたした事例が報告されており、消費者庁や国民生活センターからも注意喚起が出ています。
特に気をつけてほしいのは、次のようなケースです。
ダイエット系サプリ
筋肉増強系サプリ
海外から個人で購入したもの
複数のサプリを同時に飲んでいる場合
また、市販薬や処方薬との飲み合わせによっては、悪影響が出ることもあります。
例えば、ビタミンKのサプリは、血液をサラサラにする薬(ワーファリン)の効果に影響することがあります。
クリニックで「現在服用している薬はありますか?」とお伺いしているのは、飲み合わせを確認するためです。
受診の際には、サプリも「飲んでいるもの」の一つとして教えてくださいね。
🔸 サプリメントが「役に立つ」場面もある
サプリの中には、特定の条件で明確に良い影響があると報告されているものがあります。
「なんとなく」ではなく、「目的と条件が合っているかどうか」がポイントです。
① 妊娠を考えている人の葉酸
神経感閉鎖障害(赤ちゃんの脳や脊髄の発達異常)のリスクを減らすため、妊娠を計画している人は毎日400〜800μgの葉酸を摂ることが推奨されています。
「妊活を始めたら葉酸」と覚えておきましょう。
② 検査で不足が確認されたときの補充
採血で栄養素の不足が確認された場合には、サプリで補うことが検討されます。ただし、補充の方法には注意が必要です。
栄養素別の内服タイミングと注意点は以下のとおりです。

③ 特定の病気で効果が確認されているとき
例えば、加齢黄斑変性(目の老化による病気)の方には、特定のサプリが進行を遅らせる効果があるとされています。
ただし、これは病気を予防するためのものではなく、あくまでも進行を遅らせるためのものです。
🔸 まとめ:サプリは「条件が合えば」役に立つ
今日お伝えしたかったのは、 サプリは「全員が飲むべきもの」ではないということです。
「このサプリ、本当に必要?」と迷ったときは、まずかかりつけ医や管理栄養士に相談してみましょう。
「健康のためにサプリを飲む」ではなく、「自分の状態を知って、必要なものを選ぶ」という考え方が大切です。
当院でも、サプリに関するご相談をお受けしています。ぜひお気軽にご相談ください。
次回は「マルチビタミン」「魚油」「亜鉛」など定番サプリのエビデンスについてお伝えします。お楽しみに!
【参考文献】
US Preventive Services Task Force. Vitamin, Mineral, and Multivitamin Supplementation to Prevent Cardiovascular Disease and Cancer: Recommendation Statement. JAMA 2022.
US Preventive Services Task Force. Folic Acid Supplementation to Prevent Neural Tube Defects: Recommendation Statement. JAMA 2023.
US Preventive Services Task Force. Folic acid for the prevention of neural tube defects: Recommendation Statement. Annals of Internal Medicine 2009.
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独立行政法人国民生活センター.健康食品の摂取により薬物性肝障害を発症することがあります
厚生労働省.「統合医療」に係る情報発信等推進事業.ビタミンB12