健康コラム

公開日

2026.9.11

更新日

2026.9.9

予防接種

HPVワクチンは何歳まで無料?男子・大人の接種と費用も解説 

リビングのテーブルを囲む母親と思春期の息子・娘。母親がパンフレットのような紙を広げて2人に見せながら話しており、息子と娘はそれぞれ興味深そうな表情で母親の話に耳を傾けている様子

こんにちは!リベ大総合クリニック大阪院 院長の大岩です。



🌀 HPVワクチンを無料で接種できるのは何歳まで?

🌀 息子も受けられる?大人になってからでは遅い?


HPVワクチンは、接種できる年齢と、公費で受けられる年齢が異なります。

制度の変更もあり、自分やお子さんが対象なのか迷いますよね。
今回は、9価HPVワクチンの対象年齢・接種回数・費用を整理し、男性や大人の接種についても解説していきます。

🔸 接種対象は9歳から|公費の対象と接種回数

9価HPVワクチンの接種対象は、9歳以上の男女です。

ただし、「接種できる年齢」と「公費で受けられる年齢」は異なります。


国の定期接種として自己負担なしで受けられるのは、小学6年生〜高校1年生相当の女性です。

それ以外の方は原則自費ですが、自治体独自の助成を利用できる場合があります。

公費で受けられる定期接種の期限は「高校1年生相当の3月末」まで

HPVワクチンの定期接種は、誕生日ではなく学年で区切られ、高校1年生相当の年度の3月31日までです。2026年度に高校1年生相当の方は、2027年3月31日が期限となります。


なお、接種の機会を逃した女性への公費のキャッチアップ接種は、残りの接種を受けられる経過措置も含め、2026年3月末で終了しました。


公費の対象期間を過ぎても、自費での接種は可能です。自治体独自の助成や手続きについては、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

当院では、定期接種の対象となる方はもちろん、男の子や、接種の機会を逃した大人の方にも接種をおすすめしています。


接種回数は、1回目を受ける年齢で変わります

9価HPVワクチンの標準的な接種スケジュールは、男女とも次のとおりです。

1回目を受ける年齢

接種回数・間隔

9歳以上15歳未満

通常2回。1回目から6〜12か月後に2回目

15歳以上

3回。1回目から2か月後に2回目、6か月後に3回目

15歳未満ではワクチンに対する免疫反応がよいため、2回で完了する接種方法が認められています。
実際に9価HPVワクチンの試験で、9〜14歳の男女が2回接種したあとの抗体の量は、16〜26歳の女性が3回接種した場合と比べて劣らないことが確認されています。


ただし、1回目と2回目の間隔が5か月未満の場合は、3回目の接種が必要です。すでに接種した方は、接種日を確認しましょう。

「9価HPVワクチンの標準的なスケジュール」を示す図解。1回目の接種年齢で回数が異なり、通常(15歳以上)は1回目・2か月後に2回目・1回目から6か月後に3回目の計3回接種、9歳以上15歳未満は1回目・6〜12か月後に2回目の計2回接種と、カレンダーのイラストで時系列を示している

接種が遅れた場合も、まずはご相談ください

厚生労働省より示されていますが、予定より接種が遅れた場合、通常は1回目から受け直す必要はありません。


母子健康手帳などで、これまでに受けたワクチンの種類と接種日を確認し、残りの回数や日程を決めましょう。

公費で受けられる期間には期限があるため、費用の扱いもあわせて確認してください。

🔸 男性も接種した方がよい?接種をおすすめする理由

9価HPVワクチンは、9歳以上の男性も接種できます。

当院では、男性についても、病気の予防や女性への感染予防の観点から、HPVワクチンの接種をおすすめしています。

HPVは、男性の病気にも関わります

HPVは性別を問わず感染し、男性でも肛門がんや、性器などにイボができる尖圭コンジローマの原因になります
9価HPVワクチンは、これらの病気の予防にも承認されています。

また、HPVはのどの奥にできる中咽頭がんとも関係が深いと報告されており、ワクチンの予防効果については現在も研究中です。

「男の子にもHPVワクチンをおすすめします」を示す図解。HPVは男女とも感染すること、9歳以上の男性も接種できることを示し、ワクチンで予防できる病気として肛門がん・尖圭コンジローマ、関連が確認されている病気として中咽頭がん(陰茎がんへの予防効果は確立していない)を紹介している。接種は原則自費だが、自治体によっては助成がある場合もあると記載されている

国の定期接種には、まだ入っていません

男性は国の定期接種の対象外で、接種費用は原則自己負担です。自治体によって助成がある場合もあるため、接種前に確認しましょう。

🔸 大人になってからでも遅くはありません

公費の対象年齢を過ぎても、HPVワクチンの接種は可能です。9価HPVワクチンには、承認上の年齢上限は設けられていません。

ただし、どの年齢でも同じ効果が期待できるわけではありません。


HPVワクチンは、すでにある感染や病変を治すものではなく、新たな感染を予防するためのものです。

性行為の経験があっても、すべての型に感染しているとは限らず、まだ感染していない型への予防効果が期待できる場合があります。


大人の接種では、年齢やこれまでの接種歴、今後の感染の可能性、費用などを踏まえて検討します。


年齢だけで「もう遅い」と決めず、今から受ける意味があるか、一緒に考えていきましょう。

🔸 自費で受ける場合の当院での費用

公費や自治体の助成を利用しない場合、HPVワクチンの接種は、公的医療保険が適用されない自由診療です。


当院では、1回あたり30,800円(税込)です。
2回接種で総額61,600円(税込)、3回接種で総額92,400円(税込)となります。


必要な回数は、接種を始めた年齢や接種歴によって異なります。

途中まで受けたことがある方は、接種記録をもとに残りの回数と費用を確認しましょう。

🔸 接種前に知っておきたい主な副反応

比較的多い副反応は、接種した部分の痛み・腫れ・赤みです。また、接種時の痛みや緊張などで失神することがあるため、接種後は30分ほど座って様子を見ます。

発熱や頭痛、倦怠感といった全身の症状が出ることもあります。
加えて、頻度は不明ですが、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)といった重い副反応が起こることも報告されています。

副反応の詳しい内容や、当院でのワクチンに対する考え方については、以下のコラムをご覧ください。

▶︎ 関連コラム「9価HPVワクチンで何が防げる?効果と副反応を医師が解説

🔸 【女性の方へ】ワクチン接種したあとも、検診で予防しましょう

HPVワクチンでは、子宮頸がんの原因となるすべてのHPVの型を防げるわけではありません。

接種した方も、20歳からは定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。


子宮頸がん検診は、20歳から2年に1度受けることがすすめられています。
当院がある大阪市でも、住民票がある20歳以上の女性においては、少ない自己負担額で検査を受けることができます。

▶︎ 大阪市役所ホームページ:子宮頸がん検診を受けましょう

また、30歳以上の方は5年に1度HPVの感染を調べる検査も、追加料金で選べる場合があります。

助成やHPV感染検査の有無については、自治体によって対応が異なるため、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

「接種後も子宮頸がん検診は必要」を示す図解。ワクチンは感染を予防、検診は異常を早く見つけるという役割の違いを対比しており、ワクチンは9価でも防げない型があることをウイルスのイラストで示している。下部には検診の目安として、20歳〜は2年に1回、30歳以上はHPV検査が5年に1回も可能(※一部自治体で実施)という情報が添えられている

🔸 まとめ|対象年齢と接種歴を確認して、日程を考えましょう

9価HPVワクチンを国の定期接種として無料で受けられるのは、小学6年生〜高校1年生相当の女性です(定期接種の公費助成が対象)。公費で受けたい方は、年度末の期限までに必要な回数を終えられるよう、早めに日程を確認しましょう。


また、9歳以上の男性や大人も接種を検討できます。

原則自費ですが、自治体独自の助成がある場合もあります。当院では、HPVの影響を踏まえて、感染予防を検討している方には、接種をおすすめしています。


🌀自分や子どもは受けた方がよい?
🌀途中まで受けたけれど、残りはどうする?
という方も、ぜひご相談ください。

必要な回数や費用を一緒に確認していきましょう。

▶︎ 【大阪市西大橋駅徒歩すぐ】当院のご相談・ネット予約はこちらから


では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. 医薬品医療機器総合機構「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ 添付文書」

  2. 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」

  3. 大阪市「子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの接種について」

  4. Iversen OE, Miranda MJ, Ulied A, et al. Immunogenicity of the 9-Valent HPV Vaccine Using 2-Dose Regimens in Girls and Boys vs a 3-Dose Regimen in Women. JAMA. 2016;316(22):2411-2421.

  5. 国立がん研究センター「子宮頸がんとその他のHPV関連がんの予防」

  6. 厚生労働省「第35回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会ワクチン評価に関する小委員会 議事録」

  7. 国立がん研究センター「子宮頸がんとその他のHPV関連がんの予防ファクトシート2023」

  8. 日本産科婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために Part 3」

  9. 国立がん研究センター「子宮頸がん検診」

  10. 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん検診について」

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